“野菜のミツカン"は浸透するか、新ブランドに込めたコンセプト

 社会問題化する「食品ロス」。国連の持続可能な開発目標(SDGs)にも食料廃棄の削減目標が盛り込まれている。そうした「もったいない」機運が醸成される中、ミツカンはグループで、食品の新ブランド「ZENB(ゼンブ)」を立ち上げた。その名の通り、野菜や穀物を可能な限り全部使用するというのがコンセプトだ。

 「普段は食べない部分を使っても、おいしく食べられるよう開発を重ねた」。ミツカンホールディングス新規事業開発マーケティンググループの長岡雅彦グループマネージャーは強調する。ゼンブは野菜を皮や芯、さやまで細かくつぶしたり、すりつぶしたりして使う。生産には特殊な技術を要するため、大量生産は難しいという。

 ゼンブ第1段商品は2種類。一つはコーン、ビーツ、枝豆、えんどう豆、パプリカの5種をすりつぶした濃縮野菜に、オリーブオイルを加えペースト状にした「ゼンブペースト」。ディップソースとして、またアイスにかけるといった使い方を想定している。

 もう一つは、4種の濃縮野菜に果汁などを加え、スティック状に成形した「ゼンブスティック」。これは、そのままおやつとして楽しめる。ミツカングループのゼンブへの思いも消費者に伝えたいとの考えで、店頭販売はせず専用ウェブサイトを通じて販売する。

 ミツカングループは10年後に売上高1兆円(2018年2月期は2432億円)を目指すことなどを盛り込んだ長期経営ビジョンを18年11月に策定。その中で、シェフや料理研究家、学者、管理栄養士ら多様な分野の専門家とも協力して、自然環境負荷の低減や、素材そのもののおいしさを引き出すことなどを課題に、新しい食品開発を目指す活動「ゼンブイニシアティブ」をスタートした。

 ゼンブは、その一環。商品だけでなく思いも伝えたいというのは、そうした成り立ちのブランドだからだ。ゼンブは今後、商品群を拡充しながら、健康志向が高まる米国など海外展開も検討する。
(文=名古屋・岩崎左恵)

日刊工業新聞2019年4月25日

  

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