ドコモが導入、携帯電話基地局の故障を検知するAIの効果

軽微な故障も約9割の精度で検知

 NTTドコモは、携帯電話基地局の故障を人工知能(AI)が検知する遠隔監視システムを導入した。正常時・異常時の通信状態のパターンをAIに事前学習させることで、従来の遠隔監視システムが検知しにくかった軽微な故障も約9割の精度で検知できる。2020年の第5世代通信(5G)商用化で通信量の増大が予想される中、AIによる故障検知の迅速化で重大事故の発生を防ぐ。

 1日に導入したAIは仮想サーバー約640台で構成し、ドコモが全国に持つ基地局内の通信装置の通信データ量や通信状態など1週間当たり約500テラバイト(テラは1兆)のデータを分析できる。NTTグループの「コレボ」など国内大手のAI技術を活用した。

 ドコモの通信網は全国の基地局や通信設備ビルなどにある46万超の装置で構成しており、東京都と大阪市内にあるネットワークオペレーションセンターが遠隔監視システムを用いて監視・修復している。

 機器が突然停止するなど年間で約十数万件の故障を検知しているが、約9割は同センターからの遠隔措置で回復。残り1割は装置交換など現地の復旧作業で修復している。

 だが、機器が数十秒間だけ一時停止するなどの軽微な故障は従来の遠隔監視システムでは検知しにくく、ネットワークオペレーションセンターに通知されなかった。こうした軽微な故障は「サイレント故障」と呼ばれ、直ちに携帯電話サービスに影響はしないが、1日当たり数百件発生しているとされ、放置すれば大規模故障につながりかねない。

 ドコモが18年度に行った実証実験では、基地局のサイレント故障の検知率は80―90%だった。19年度中に故障しそうな装置をAIが見つけ出す機能を実装するほか、装置のログ(履歴)でAIが故障原因を特定できるようにして遠隔監視者の負担を減らす。

日刊工業新聞2019年4月8日

  

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