奄美・宮古島に配置された陸自部隊、その力量とは?

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12式地対艦誘導弾(陸自公式フェイスブックページ)
 防衛省は26日付で南西諸島エリアの沖縄・宮古島と鹿児島・奄美大島に陸上自衛隊の警備隊を新たに置いた。宮古島には2019年度以降に、中距離の地対空ミサイル(SAM)部隊と対艦ミサイル(SSM)部隊も配置する計画だ。同エリアを担当する西部方面隊には陸上機動力の高い偵察戦闘大隊を設け、情報共有のため指揮通信システム機材を整備する。東シナ海で日増しにプレゼンス(存在感)を高める中国軍の脅威に備える。

 九州南端から台湾手前まで連なる南西諸島エリアは、直線距離で約1200キロメートル。東京から福岡、札幌までの直線距離はそれぞれ約880キロメートル、831キロメートルで、いかに長いかがわかる。この広大なエリアに陸自の防衛拠点は、沖縄本島と与那国島の2カ所があるきりだった。

 尖閣諸島沖に地下資源埋蔵の可能性が指摘されたこともあり、中国が1970年代に突如として領有権を主張。2010年には海上保安庁の船と衝突事件、13年には海上自衛隊護衛艦へのレーダー照射など、侵入・挑発行動を繰り返す。

 尖閣諸島をはじめ南西諸島は無人島を含む島がほとんどで、人を置いた警備は難しい。兵力に勝る中国がどこか1島に上陸し、コンクリート陣地やSAM、レーダーなどで防備を固めたら、再び取り返すのは至難のわざになる。相手が防備を固めないうちに素早く対処するカギは、現場までの距離と即応能力だ。

 有事に直ちに対抗措置を取るには、部隊が近くにいる方が圧倒的に有利。距離が近ければ相手が防備体制を固めないうちに反撃できる。沖縄本島と与那国島に宮古島、奄美大島が加わることで空白地帯を埋め、対応能力が高まる。

 初動対応はもちろん、本土からの応援を待たずに独自に反撃できる能力も持たせられれば、防衛体制はより堅固になる。

 宮古島部隊は当初が約380人、最終的には700―800人に増える予定。奄美大島部隊は約550人だ。宮古島と与那国島の中間にある石垣島にも警備部隊や中距離SAM部隊の配備計画が進んでいる。

 空白地帯だった南西諸島の警備が、これで大幅に改善する見通しだ。
                      

日刊工業新聞2019年3月27日

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