防衛装備品、中小への門戸は広がるか

防衛省との交流密に

 防衛省は、防衛装備品調達で中小企業の発掘や交流を急ぐ。「中小企業等参入促進ワークショップ」を27日に福岡市内で開催するほか、ワークショップの運営方法を2019年度から改め、実施回数を減らす代わりに規模をほぼ倍に拡大。多くの企業が参加できるようにする。国内防衛産業はコマツが軽装甲機動車両(LAV)の新規開発中止を決めるなど、環境が厳しく、技能伝承やサプライチェーン維持が危ぶまれている。優れた製品や技術を持つ中小の発掘により、こうした事態を防ぐ。

 新企業を発掘するため、ワークショップの運営方法を刷新。19年度は開催数を前年度の6回から3回に減らし、1回当たりの参加企業数を20―30社に大幅増を目指す。18年度は平均10社程度だった。回数は減るが、1回に多くの企業が参加することで、交流の広がりも期待できる。

 ワークショップは16年度に始めた。実施回数は16年度に3回、17年度以降は6回に増やした。出展企業数も16年度の合計22社が17年度からは同50社以上に増えた。出展企業のうち、現在までに計8社が同省と契約。内訳は飛行ロボット(ドローン)3社、3Dプリンター2社、ロボット制御と複合材料、監視用発光ダイオード(LED)灯が各1社。1社当たりの金額は平均で820万円程度となっている。

 国内防衛産業は機密保持の必要性もあり、三菱重工業や川崎重工業をはじめとする大手と、関連下請け企業で構成されてきた。ただ、このままだとメンバーが固定化し、新技術を導入できない恐れがある。超高感度カメラや無線給電技術、ドローン、断熱素材のように民生品の技術進歩が著しい例も多い。さらに防衛省が今後、増強を進めるサイバーや人工知能(AI)、宇宙などの分野は大学発のベンチャー企業も多い。

 ワークショップの参加企業数を増やすことで、これら新分野の企業が発掘しやすくなる。企業募集では経済産業省や日本航空宇宙工業会、大学などにも協力を仰ぐ方針。サプライチェーンに中小企業が加わることで、部品供給ができなくなるリスクも減らせる。大手にはない小回りと短納期ノウハウで、コストダウンにもつながると見ており、有望な中小企業の発掘を進める。

日刊工業新聞2019年3月22日

  

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