産学共同研究費の受け入れ、大阪大学が躍進の理由

文部科学省の大学の産学連携調査

 文部科学省の大学の産学連携調査で、産学共同研究費などの受け入れは2017年度に960億円で、前年度比13%増となった。1件当たり1000万円以上の大型共同研究が、288億円と同24%増で全体をリードした。この規模での受け入れ額トップは大阪大学で、前年度上位の東京大学、京都大学を抜く結果となった。

 この17年度「大学等における産学連携等実施状況について」は18年3月末の調査。共同・受託研究、治験、知的財産権などによる「研究資金等受け入れ額」のうち、大型共同研究の伸びが目立つ。政府が掲げる産学連携の本格化・大型化の進展がわかる。

 共同研究費の総額で1位は東大73億円(前年度1位)、2位が阪大68億円(同3位)。3位の京大49億円(同2位)や4位の東北大学34億円、5位の名古屋大学28億円と比べ、大企業との組織型連携で実績が目立つ2大学が抜きんでている。

 大型共同研究による受け入れ額でみると1位は阪大50億円(同3位)、2位が東大46億円(同1位)、3位京大33億円(同2位)となった。

<関連記事>
国立大が生き残っていくための「卓越」という選択

日刊工業新聞2019年3月14日

山本 佳世子

山本 佳世子
03月14日
この記事のファシリテーター

躍進の阪大は中外製薬から年10億円×10年間を受け取る組織連携を動かしている。東大は日立製作所やNECと、京大は武田薬品工業と、それぞれ大型組織連携で取り組んでいるが、それらの効果を押さえての健闘だ。しかし直近の案件から、次の時点での東大の巻き返しが予想される。2018年12月に、東大はダイキン工業からやはり10年で100億円という連携を発表したからだ。「カリスマの井上会長ならではの判断だ」「並の企業では、こんなに投資して、本当に意味があるのか、と株主の目が気になってしまうので難しい面がある」と聞いた。その意味では「1社が1大学に10年で100億円」がMAXといえそうだ。

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。