ダイキンが東大と長期提携する理由

環境・健康分野などで人材交流を促進する

  • 0
  • 3
照明と一体型のコンセプトモデル。こうした従来にはない空調の実現に向け、異分野の知見が不可欠
 ダイキン工業と東京大学は年内にも包括提携する。政府が掲げる超スマート社会「ソサエティー5・0」を対象に、環境や健康などの幅広い分野で共同研究と人材交流を進める。ダイキンは東大に数十億円規模の資金提供も視野に入れる。ダイキンが持つ空調に関わるビッグデータ(大量データ)を生かし、エネルギー効率を一層高められる空調制御や人の健康維持、生産性向上につながる空気環境などを研究する。

 ダイキン工業と東京大学は、10年ほど長期提携する方向で調整している。ダイキンは17年7月に、大阪大学と10年間の提携を結んだ。同社の阪大への資金提供は10年間で総額56億円。人工知能(AI)など情報科学を中心に共同研究などを進める。東大との提携は、阪大に続くオープンイノベーションの大型提携となる。ダイキンと東大は知見を持ち寄り、技術革新により社会課題の解決を目指すソサエティー5・0の具現化を目指す。

 ダイキンの家庭用と業務用を合わせた空調事業の年間売上高は、約2兆円と世界首位。ただ、AIなどのデジタル技術が発展する今後は、外部の知見を取り入れ競争環境の変化にいち早く対応する必要がある。一方、東大は運営交付金が減少する中、財源を多様化するため産学連携を増やしている。

 近年は異常気象が続き、夏季や冬季に空調の使用が不可欠。最適な空気の環境は、人の健康や集中力を高めるとも指摘される。ただ空調は消費電力量が多く、冷媒は地球温暖化の原因となる温室効果がある。ダイキンと東大はこうした社会課題の解決に向け、共同研究を進める。

日刊工業新聞2018年12月7日

関連する記事はこちら

特集