ロボットアーム型の3Dプリンターで作る喫煙所

前田建設工業、約3時間で高さ1.1メートルまで積層造形

  • 0
  • 0
高さ1.1メートル段階の喫煙所
 前田建設工業は開発中のロボットアーム型建設用3Dプリンターを使い、高さ2メートル程度の小規模建物の試作に乗り出した。新技術研究所「ICI総合センター」(茨城県取手市)に新設したベンチャー企業との連携拠点「ICIラボ」で、喫煙所の造形を実演し、約3時間で高さ1・1メートルまでコンクリートを積層造形した。試作とはいえ、3Dプリンターを使った小規模建物の自動施工の実用化が現実味を帯びてきた。

 ICIラボに導入したロボットアーム型建設用3Dプリンターは、ロボットアーム、ポンプ、ノズルなどから成り、アーム先端に材料を吐出するノズルを取り付けた。造形範囲は前田建設工業の室内用門型3Dプリンターに比べ幅が4・4倍の2メートル、長さが同3・3倍の2メートル、高さが同3・3倍の3メートルと大幅に拡大した。

 実演には圧送性や造形性、安定性を確保したセメント系材料を使用。1層当たり高さ約25ミリメートル分を吐出し、変形することなく約3時間で高さ1・1メートルまで44層分を積層した。

 まだ完成品ではなく、梶田秀幸ICIラボ上級技師長は、残りは「時間がある時に継ぎ足し、高さ1・8―2メートルの喫煙所にする」と、完成時期は未定だ。

 ロボットアーム型建設用3Dプリンターの開発は、次の段階として「3Dプリンターで積層できる鉄筋の代替品」(梶田上級技師長)が求められている。積層に時間がかかる金属ではなく、高強度の樹脂を使った補強材の開発を検討する。

 開発に当たってはベンチャー企業との連携拠点というICIラボの特徴を最大限に活用する。ベンチャー企業を含む他社と補強材の共同開発や協業に取り組み技術開発スピードを上げ、3Dプリンターを使った小規模建物の自動施工で早期の実用化につなげる。
ロボットアーム型建設用3Dプリンターが喫煙所の一部分を造形

日刊工業新聞2019年3月7日

関連する記事はこちら

特集