3Dプリンターの生産革命、設計の変革が成功のカギ?

カブク、設計支援でアンシス・ジャパンと連携

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CADモデルを変更すると即時に解析結果を表示する
 カブク(東京都新宿区、稲田雅彦社長、03・6380・2750)は、3Dプリンターを活用した生産プロセス革新の提案で、アンシス・ジャパン(同新宿区)と連携を始めた。アンシスが開発した設計・解析期間を短縮できるソフトウエアのセミナーを随時開催し、設計支援を強化する。3Dプリンターによるコスト削減や開発期間短縮などの効果を最大化し、利用拡大を後押しする。

 現在、3Dプリンターの導入に対し、コストや品質、納期などに課題を持つ企業は少なくない。稲田社長は「生産だけ3Dプリンターに置き換えても効果は低い」と指摘する。例えば、3Dプリンターで複雑な形状の部品を手がける場合、従来の射出成形や切削加工で生産していた形状とは大きく異なる。初期段階の設計と解析、設計変更のサイクルを早く回せば、多様なデザインから最適な形状を絞り込め、開発期間も短縮できる。

 そこで同社はアンシスが2018年2月に発売した解析ソフト「ディスカバリーライブ」に着目。同ソフトは設計者向け解析ソフトで、CADモデルを変更すると即時に解析結果を表示する。ソフトの操作は簡単で短期間の練習で習得できるため、設計者1人で解析までできる。ただ、解析精度より速度を優先するため、最終段階では従来通り専門の解析エンジニアによる検証を推奨する。

 同ソフトは、構造解析や外部・内部の流体解析、伝熱解析、モーダル解析などを行える。従来方法では、エンジニアが計算に必要な「メッシュ」構造を個別に作成するが、同ソフトはメッシュ作成作業をなくすことなどで即時解析を実現した。

 これまで3Dプリンターは試作品や少量部品の生産で利用されることが多かったが、最近では量産部品の生産にも活用されている。独フォルクスワーゲン(VW)は9月、量産車部品を米HP製の金属3Dプリンターで生産する計画を発表した。構造部品の生産も視野に入れる。こうした動きは今後、波及・加速するとみられる。

 「欧米は設計のデジタル化が進んでいるため、3Dプリンターの利用拡大も早い」(稲田社長)と指摘。日本も3Dプリンター導入が増えているが、世界の動きの早さに対して危機感があるという。

 カブクは3Dプリンターを活用する国内外100以上の工場とネットワークをつくり、メーカーから試作品の生産委託の仲介なども行う。アンシスとの連携を通じ、開発総合支援を充実させる。

日刊工業新聞 2018年10月16日

COMMENT

梶原洵子
編集局第二産業部
記者

実際にディスカバリーライブを使うセミナーに参加しました。解析ソフトを扱うこと自体が初めてでしたが、教えてもらいながら設計変更や解析をすることができました。本当に初心者でも操作できたことに驚きました。

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