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1日20本以上のたばこで、交通事故死亡リスク上昇!?

東北大が追跡調査
 東北大学大学院歯学研究科の相田潤准教授らは、たばこを1日20本以上吸う男性は交通事故死亡のリスクが高いことを明らかにした。茨城県の40―79歳の9万7078人を対象とした20年間の追跡調査により分かった。

 喫煙はがんや循環器疾患などによる死亡リスクを高める。また、その他の死因との関連についても研究されるが、交通事故による死亡と喫煙との関連を調べる研究は少ない。

 研究チームは対象者を「非喫煙者」、「過去喫煙者」、「1日20本未満吸う現在喫煙者」、「1日20本以上吸う現在喫煙者」に分類。年齢、飲酒状況の影響を含め、関係性を調査した。

 その結果、事故による死亡は、男性の非喫煙者では7335人中31人で、1000人当たり年間発生率は0・24だった一方、1日20本以上吸う現在喫煙者では1万1403人中62人で1000人当たりの年間発生率は0・32だった。女性は喫煙者の数が少なく、期間中の交通事故死亡がなく解析できなかった。

 欧米では、受動喫煙防止の観点から子どもや同乗者がいる場合の車内喫煙を規制している。台湾では事故防止の観点から、1人しか乗っていなくても車内での喫煙を禁じているという。相田准教授は「喫煙時の不注意が事故につながっている可能性がある。受動喫煙の観点はもちろん、運転中の携帯電話の使用と同様、車内での喫煙の規制を検討すべきだ」と話した。
日刊工業新聞2018年7月12日
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
たばこを喫煙中の不注意も、たばこを吸っていないことによるイライラのどちらも、交通事故リスクに関係しそうです。

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