航空機チタン加工用の切削工具、寿命10倍を実現した仕組み

三菱重工業が名古屋大学などと開発

 三菱重工業は名古屋大学などと、航空機のチタン部品加工向けに、寿命が既存品の約10倍の切削工具を開発した。通常の10倍の高速加工や新切削方法により、難削材のチタンでも摩耗を抑えて加工できる。機体部品で採用が広がるチタンの加工時間短縮と工具本数削減により、製造コストを抑えられる。社内で実証を進め、米ボーイングの機体製造事業での実用化を目指す。サプライヤーへの展開も見据える。

 社本英二名大工学部教授(航空宇宙工学専攻)、三菱マテリアルと共同で、多刃式の新型工具「ロータリーミリングカッター」を開発した。セラミックスと超硬両方の特徴を持つ材料を採用した工具で、短時間の切削を繰り返して高速加工する。

 皮むき切削と呼ぶ方法により、チタン表面の酸化膜に触れずに加工できるため、摩耗を抑えられる。

 機体軽量化のため炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の採用が増えるとともに、アルミニウムから、CFRPと相性の良いチタンへの移行が進む。チタンは切削時の熱がこもりやすいため加工しづらく、時間と費用がかかる課題を新型工具で解決できる。

 三菱重工と名大はこのほか、シアタイなど胴体の薄壁部品を高精度に効率良く加工する技術を開発した。特殊形状の工具を用い、加工時のびびりを抑えて滑らかな加工面を実現できる。機体の軽量化で胴体部品が薄くなり、加工が難しくなっていることに対応した。

日刊工業新聞2019年3月1日

  

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