2年連続で世界首位の「ホンダジェット」、いつ黒字になるの?
「HONDA」全体のブランドと収益のけん引役に
ホンダの航空機事業子会社の米ホンダエアクラフト(ノースカロライナ州)による小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の2018年暦年(1―12月)の引き渡し機数が37機となり、小型ジェット機部門で2年連続の世界第1位を達成した。ホンダエアクラフトの藤野道格社長は「最先端技術の開発と発展にまい進してきた証」と話す。
同社は15年以来、100機を超える機体を引き渡してきた。日本を含めこれまでに9カ国の型式証明を取得しており、北米、欧州、中南米、東南アジア、中国、中東、インド、そして日本で販売している。18年には最新型「ホンダジェットエリート」を発売。日本では12月に国土交通省から型式証明を取得し、初号機を引き渡した。
「日本はホンダのホームグラウンド。いよいよホンダジェットを展開できる」。ホンダの八郷隆弘社長は感慨深げに話す。ホンダが航空機開発に着手したのが1986年。それから約30年。フォーミュラワン(F1)からの一時撤退を決断させるほどの衝撃を同社に与えた08年のリーマン・ショック後も開発を継続。航空機事業参入という「ホンダ創業当初からの夢」(八郷社長)を結実させた。
そのホンダジェットを日本でも販売することは、ホンダブランド向上という意味も持つ。同社は18年に軽自動車「N―BOX」が国内車名別新車販売で年間首位を獲得した。
成熟化が進む国内自動車市場で健闘をみせる一方で、先日、英国とトルコでの4輪車生産から2021年中に撤退すると発表。世界の4輪車生産の配置と能力適正化を目指している。今後、4輪車と2輪車もグローバルでの競争が激化することは必至。「ホンダジェット投入でチャレンジする姿勢をみせる」(同)ことで、古くからのホンダファン、若者の両者にアピールしたい考えだ。
ただ、ホンダジェット事業自体はまだ赤字。一般的に航空機ビジネスは機体を販売し、その後のアフターサービス・メンテナンスを含めて収益を上げる。今はホンダジェットの販売台数を伸ばす段階にあり、「少し長い目で見ていきたい」(同)とする。
もっとも「事業の継続性という意味でも収益を期待している」と八郷社長。ホンダエアクラフトカンパニーの藤野社長は昨年の段階で、「5年を目安に単年度黒字のラインには乗っている」と話している。国土の広い米国ではビジネスジェット機が身近な存在で、1時間2500ドル程度でホンダジェットを使えるサービスもある。こうしたビジネスジェット機のグローバルスタンダードを持ち込み、日本に「新たな市場を創造する」(藤野社長)ことが最大の狙いだ。
現在、ホンダジェットは月産4機ペースで量産が進む。19年以降には年80―100機体制に膨らむ見通し。ホンダジェット・エリートは最大7人乗り(乗客5人)だが、派生機が開発される公算も大きい。現行機種は「世界でビジネスジェットが使われているトップ10ルートの半分をカバーできることが設計要件」(同)になっており、残り50%への対応をどうするかが焦点になる。
同社は15年以来、100機を超える機体を引き渡してきた。日本を含めこれまでに9カ国の型式証明を取得しており、北米、欧州、中南米、東南アジア、中国、中東、インド、そして日本で販売している。18年には最新型「ホンダジェットエリート」を発売。日本では12月に国土交通省から型式証明を取得し、初号機を引き渡した。
「日本はホンダのホームグラウンド。いよいよホンダジェットを展開できる」。ホンダの八郷隆弘社長は感慨深げに話す。ホンダが航空機開発に着手したのが1986年。それから約30年。フォーミュラワン(F1)からの一時撤退を決断させるほどの衝撃を同社に与えた08年のリーマン・ショック後も開発を継続。航空機事業参入という「ホンダ創業当初からの夢」(八郷社長)を結実させた。
そのホンダジェットを日本でも販売することは、ホンダブランド向上という意味も持つ。同社は18年に軽自動車「N―BOX」が国内車名別新車販売で年間首位を獲得した。
成熟化が進む国内自動車市場で健闘をみせる一方で、先日、英国とトルコでの4輪車生産から2021年中に撤退すると発表。世界の4輪車生産の配置と能力適正化を目指している。今後、4輪車と2輪車もグローバルでの競争が激化することは必至。「ホンダジェット投入でチャレンジする姿勢をみせる」(同)ことで、古くからのホンダファン、若者の両者にアピールしたい考えだ。
ただ、ホンダジェット事業自体はまだ赤字。一般的に航空機ビジネスは機体を販売し、その後のアフターサービス・メンテナンスを含めて収益を上げる。今はホンダジェットの販売台数を伸ばす段階にあり、「少し長い目で見ていきたい」(同)とする。
もっとも「事業の継続性という意味でも収益を期待している」と八郷社長。ホンダエアクラフトカンパニーの藤野社長は昨年の段階で、「5年を目安に単年度黒字のラインには乗っている」と話している。国土の広い米国ではビジネスジェット機が身近な存在で、1時間2500ドル程度でホンダジェットを使えるサービスもある。こうしたビジネスジェット機のグローバルスタンダードを持ち込み、日本に「新たな市場を創造する」(藤野社長)ことが最大の狙いだ。
現在、ホンダジェットは月産4機ペースで量産が進む。19年以降には年80―100機体制に膨らむ見通し。ホンダジェット・エリートは最大7人乗り(乗客5人)だが、派生機が開発される公算も大きい。現行機種は「世界でビジネスジェットが使われているトップ10ルートの半分をカバーできることが設計要件」(同)になっており、残り50%への対応をどうするかが焦点になる。
日刊工業新聞2019年2月22日の記事に加筆・修正