ドル箱羽田発着、ANA「1便でも多く」の勝算

ドル箱羽田発着、ANA「1便でも多く」の勝算

 ―初号機受領予定の国産旅客機「MRJ」が型式証明(TC)飛行試験を始めます。
 「2020年半ばのデリバリーを大いに期待している。ワーキングトゥギャザーとして改善点など厳しい意見も含めて、硬軟両方からサポートしている。五輪に間に合ってほしい。(聖火を運ぶ)夢を私は捨てていない」

 ―20年には羽田・成田の両空港で発着枠拡大が見込まれます。
 「私たちのビジネスチャンスは20年にやってくる。19年はそこに向けて、安全と品質サービスの総点検を、もう一回仕上げる年にしたい。そうはいっても新しい飛行機が入ってくる。エアバス『A380』はハワイ線に、ボーイング『787―10X』はアジアで需要の強い路線に投入する」

 ―就航を狙う“ホワイトスポット”とは。
 「飛んでいない都市すべて。路線はらせん状で、特定エリアに集中させるのではなく、既存路線と相乗効果が見込めるよう、北米、アジア、欧州、中国に満遍なく取り組む。中型機で遠い国から訪日客を呼び込みたい」

 ―夏前に待望の大型貨物機も受領します。
 「メーンは米国だが最初は中国。中国・日本・米国間の輸送を考えている。日本から半導体部品を送り、中国で作った完成品が米国に行く。米中貿易摩擦も貨物ビジネスに顕著な影響は出ていない」

 ―日本とアジアをつなぐ沖縄貨物ハブも10年目を迎えます。
 「収支がちょっとうまくいかないので、生産調整してきた。良くなってきており、20年度には収支を黒字化する。成田や北九州の拠点も大事にしたい」

 ―グループで保有する顧客情報の共有化にも取り組んでいます。
 「10月からANAでカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)基盤をスタートさせた。“ANA経済圏”として健康商品や金融商品を売るほか、グループでデータを活用し、自治体にもマーケティングデータを販売する。(マーケティング会社の)ANAXが、春先に“目玉だ”と言えるサービスを打ち出す」

【記者の目】
 2019年の航空業界における最大の関心事は、首都圏空港発着枠の行方だ。ドル箱路線が見込める羽田空港では1日50便の増便が想定され、片野坂社長は「できる限り、1便でも多く頂きたい」と話す。自ら「新規路線論者」と称する片野坂社長は、19年から積極的に路線新設を進め、来年の飛躍に勢いづける。
(文=小林広幸)
「ビジネスチャンスは20年にやってくる」と片野坂社長

日刊工業新聞2019年1月21日

  

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