ロボットでプログラミング学ぶ、ソフトバンクの小中学校向け活動が示したこと

人型ロボット「ペッパー」の活用成果発表会

 小中学生はロボットで社会課題を解く―。ソフトバンクが定期的に開催する、人型コミュニケーションロボット「ペッパー」でプログラミングを学ぶ子どもたちの成果発表会で、実際に地域や社会の課題を解いたチームが高く評価された。ロボットはプログラミングの勉強の枠を超えて、小中学生の課題解決の手段になりつつある。

 ソフトバンクは社会貢献の一環で全国の小中学校にペッパーを提供している。約600校、2年間2万2000の授業での活用実績がある。このほど、第2回となる活動成果発表会を開いた。

 小学校部門で優勝した岡山県新見市立野馳小は、西日本豪雨の経験から避難所で役立つペッパーを開発した。初めて学校に訪れる人にトイレや避難場所を案内し、身体を動かす体操を促す。

 中学校部門で優勝した静岡県藤枝市立葉梨中は藤枝パーキングエリア(藤枝市)を訪れる中国人観光客向けに施設案内や商品を紹介するペッパーを開発した。

 3日間店頭に立ち、観光客の商品ニーズを調査した。ペッパーが呼びかけると観光客は足を止めやすく、案内と同時にニーズを集計できる。結果は甘いお菓子や富士山関連商品への要望が多かった。パーキングエリアの運営に反映する。

 同県掛川市立北中は部活動部門で優勝した。独自のコード(プログラムの構成要素)でペッパーに警備機能や災害時の案内機能を追加。英会話の発音判定や日直など6機能をそろえた。審査員の岡田浩之玉川大学教授は「生徒の成長がすごい。前回をはるかに超えた」と評価する。

 各チームはペッパーでプログラミングを学ぶだけでなく、実際に地域の課題を調べ、ペッパーの機能を開発して、課題に貢献できたかを検証した。多くのプログラミング教材はロボを動かすことが目的となり、学びに上限を設ける側面がある。

 ペッパーは人との対話シナリオを作り込める。地域課題に直接働きかけられ、プログラミング教育の目的である論理的思考や課題解決を実践できる。ソフトバンクの池田昌人CSR統括部長は「ペッパーと地域に出て行くことで学びの幅が広がる。子どもたちが天井知らずで成長していく」と期待する。

日刊工業新聞2019年2月15日

小寺 貴之

小寺 貴之
02月27日
この記事のファシリテーター

プログラミング教育はプログラミングが目的になってしまうと本末転倒です。そのため実際の社会課題に取り組むことを志向しました。ペッパーのようなロボットはロボットの取り扱いを覚えるのに時間がかかりますが、先生と生徒、先輩後輩の関係を含めて学校として慣れてしまえば、パーキングエリアや避難所など実際の現場で課題を解いて試すことが可能です。教材が決めてしまう上限がないと、伸びる生徒はどこまでも伸びていきます。クラスの中で数人であっても、模範となる効果は大きいと思います。

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