パチンコで培った技術でロボット事業とは?

 ダイコク電機が人型ロボットのアプリケーション(応用ソフト)開発事業に本腰を入れている。主力のパチンコホール・機器向け情報・制御システム開発技術を生かし、新事業として育成する。人口が減少する日本では、さまざまな場面でロボットの重要性が増す。市販ロボットの用途開発を支援し、社会ニーズに応える。(名古屋・岩崎左恵)

 「ロボットのサービス事業者になる」―。ダイコク電機の栢森(かやもり)雅勝会長はこう意気込む。2018年に新設したロボット事業専門部署「PE推進室」は、栢森会長自ら室長を務めるほど思い入れが強い。

 同部署が手がけるのはソフトバンクグループの人型コミュニケーションロボット「NAO(ナオ)」のアプリ開発。人型ロボットの注目度が高まる一方、実際の使い方をイメージできていないユーザーが多い―。栢森会長はそんな現状に目を付けたという。「ロボットでサービスを提供する会社はまだ少ない」(栢森会長)として、ロボットの用途開発を支援する事業に乗り出した。

 展示会ブースでのプレゼンテーションや会社の受け付け、介護施設のインストラクター役など、それぞれの場面に合ったアプリを開発し、ナオをレンタルする。18年は大手自動車部品メーカーや大学など約30件の実績を上げた。栢森会長は「介護施設では高齢者や障がいのある方が喜んでロボットと接してくれた」と目を細める。

 現在はアプリ開発のしやすさや見た目などでナオを扱っているが、今後は用途に応じてロボットの選択肢を広げることも視野に入れる。

 同社の売上高の大半を占めるパチンコ関連市場はすでに成熟している。ロボット事業は緒に就いたばかりで、それを補う規模になるには相当な時間を要する。それでも「ロボットを普及し、社会に定着させることが役割」と栢森会長は力説する。長期的な視野で次世代の事業の“種”を芽吹かせる。

日刊工業新聞2019年2月11日

  

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