ドコモが開発した“曲げて使う”5Gアンテナの実力

通信エリアを簡単に構築

 NTTドコモはケーブル(誘電体導波路)を曲げるだけで28ギガヘルツ帯(ギガは10億)の第5世代通信(5G)エリアを作れる「5G向け曲がるアンテナ」を開発した。樹脂製のため、5G用無線通信装置を複数台並べるよりも安く容易に5G通信エリアを構築できる。工事現場や仮設住宅など一時的なエリア形成が必要な場所での利用を見込む。

 5G用通信装置につなげたケーブルを部屋の壁などに設置する。ケーブルを曲げた部分から電波が漏れ出し、5Gアンテナとして利用できる。曲げた部分を伸ばせば5G通信エリアが消え、単なるケーブルに戻せる。

 誘電体導波路は従来、ミリ波(24ギガヘルツ帯以上)の電波を低損失で伝送する目的だったが、一定以上曲げると電波が漏れる性質を生かした“逆転の発想”で5G向け曲がるアンテナを開発した。今秋に始まる5Gプレサービス後に実証実験を行う見込み。

 総務省は2020年の5G商用化に向け3・7ギガヘルツ帯、4・5ギガヘルツ帯、28ギガヘルツ帯で3月末までに周波数を割り当てる方針。このうち、5G向け曲がるアンテナは28ギガヘルツ帯向け。28ギガヘルツ帯は直進性が強く、減衰も大きいことから、通常の5Gアンテナの陰になる場所に曲がるアンテナを敷設して利用エリアを確保する使い方もできる。

 工事現場でも高価な無線装置を複数台置く必要がなくなるため、盗難防止にも役立ちそうだ。

日刊工業新聞2019年2月21日

  

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