日立が社長を50代前半に!若手幹部育成への本気度
課長35歳・部長40歳・事業部長45歳目指す
日立製作所は、将来50代前半での社長就任を視野に、若手幹部の育成を加速する。4―5年内に日本人管理職の中で最も若手の層を、現在より5歳以上若返らせる。課長は35歳、部長は40歳、事業部長は45歳を目標とする。また、1―2年内に40代の本社の執行役や主要グループ会社の社長が就任する見通し。世界で精力的に活動する体力があり、企業を変革できる若い経営者の育成を急ぐ。
2年前に選抜した将来の経営幹部候補50人を育成する「フューチャー50」が取り組みの中心になる。30代―40代前半の若手社員で構成する。全社プロジェクトや社外研修などで、各個人に必要な経験や知識を早期に獲得する機会を設けており、順調に進んできた。
日立は2012年度から、年齢や性別、国籍を問わず、経営幹部候補育成プログラム「グローバル・リーダーシップ・ディベロップメント(GLD)」に取り組んでおり、これがフューチャー50のもとになった。選ばれたGLDの中でさえ、同程度のポストでの外国人と日本人の年齢差が大きかったため、若手層の集中的な強化を追加した。GLD内の若手100人程度を、東原敏昭社長との少人数ミーティングやアイデア会議を経てフューチャー50に選んだ。
若手幹部育成を通じて、社長候補を若返らせる。次期社長は指名委員会が候補者から選ぶが、若手育成を継続すれば、中期的に50代前半の社長就任につながる。同委員会とも人事戦略の議論を共有している。社長候補の国籍に制限はない。
同社は、社会イノベーション事業での成長に向け、グループ・グローバル共通の人財マネジメント基盤を順次整備、強化している。若手幹部の育成は象徴的な取り組みで、全社のモチベーション向上にもつなげたい考え。
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日刊工業新聞2019年2月19日掲載