携帯大手の値下げで格安スマホ“UQ”はどうする?

UQコミュニケーションズ・野坂章雄社長インタビュー

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UQコミュニケーションズ公式ホームページより
 格安スマートフォン市場で厳しい戦況が続いている。携帯電話料金に対し政府が値下げを強く要請したことで携帯大手はさらに踏み込んだ値下げを決行する見通しだ。割安な通信料金を強みにシェアを伸ばしてきた格安スマホ事業者にとって大きな痛手となる。こうした中、どのように顧客を獲得して生き残っていくか。KDDI傘下で格安スマホ事業などを手がけるUQコミュニケーションズ(東京都港区)の野坂章雄社長に戦略を聞いた。

 ―携帯大手が値下げ攻勢をかけています。格安スマートフォン市場への影響は。

 「格安スマホ市場の成長率は数年前と比較すると鈍化している。こうした状況下で格安スマホの『UQモバイル』は、CMなどプロモーションを継続的に実施することや『家族割り』などにより、着実に契約者数を増やしてきた。しかし2019年は携帯大手がさらなる値下げを仕掛けてくる。(NTTドコモが値下げを表明している)4―6月期に新たな局面を迎えることになる」

 ―今後はどう契約者数を伸ばしますか。

 「家族向けの提案を一層強化する。1人当たり月300円割引するプラン『ギガMAX月割』を3月に投入する。家族でUQモバイルを複数台契約し、宅内に据え置くホームWi―Fi(ワイファイ)ルーターもセットで利用することが条件となる。携帯大手の料金引き下げに対し、先陣を切ってユーザーにアピールする」

 ―これまでモバイルワイファイルーターサービス「UQワイマックス」とのセット利用を提案してきました。

 「実は外出先よりも自宅でインターネットを使うユーザーが多いことが分かった。さらに格安スマホでも大容量通信に合わせたプランが提供されたことで、外出先でのネット利用はスマホでまかなう人も多い。新プランは自宅におけるネット利用の力強い味方となるだろう」

 ―家庭内の通信インフラはケーブルテレビ(CATV)や光回線が主流です。

 「直近ではCATVや光回線の伸びは横ばいだが、自宅に据え置いて固定回線として利用するルーターの比率が高まってきている。開通工事が不要で、手軽に利用できる点が強みの一つだ。全体ではまだ7―8%のシェアだが、成長率が高い。この市場を取り込みたい」

 ―2020年に商用化される第5世代通信(5G)への期待感は。

 「政府が割り当てる5G向けの電波に関しては申請していない。ただ、ホームワイファイルーターの通信速度向上には5Gが欠かせない。いずれは対応したいと考えている」

野坂章雄社長

【記者の目/徹底抗戦】
携帯大手の通信料金引き下げを巡って、格安スマホ業界が揺れる1年となりそうだ。こうした中「今ある商材で突撃する」と強調。セット割プランを投入して、徹底抗戦の姿勢を改めて鮮明にした。向かい風の状況下で、市場ニーズを捉えた新プランが奏功するか。この1年が勝負となる。
(文=大城蕗子)

日刊工業新聞2019年2月13日

COMMENT

葭本隆太
デジタルメディア局DX編集部
ニュースイッチ編集長

Wi―Fiルーターサービス「UQワイマックス」とスマホのセット利用の提案にはこれまでも手ごたえを感じているようでした。セット割プランの導入によって、もう一段加速できるかはUQモバイルが存在感をさらに高められるか試金石になりそうです。また、地方はブランド力のある携帯大手が圧倒的に強く、この開拓も以前は課題としてあげていました。このあたりの戦略も注目されます。

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