JR東日本が異例の“生”データ外部提供のワケ

経産省とビッグデータ活用法募集

 鉄道関連のビッグデータ(大量データ)の活用法を一般募集するコンテストがJR東日本と経済産業省によって行われ、多数の参加者で活況を呈している。データはJR東が所有するもので、鉄道会社が生データを取引先以外に外部提供するのは異例。JR東は社外アイデアを積極採用することで、深刻化する人手不足などへの対応策を見いだす構えだ。鉄道ビッグデータは利活用が期待されつつも、決定的な利用法は確立されていない。オープン型のコンテストにより、イノベーションが生まれるかが注目される。

 コンテストでは、JR東が軌道変位測定装置で測った線路の歪み量データを参加者に提供。参加者はデータ分析により数カ月先の線路の歪み量を予測し、正確さなどを競う。全部門合わせ700人近くが参加。「事業者にはない視点のアイデアも多く、非常に興味深い」と審査員の1人であるJR東の伊勢勝巳常務執行役員は、コンテストの意義を強調する。

 データは自然による原因不明の影響などを受けた“生”のデータであり、理論化が難しい。審査では、高得点の応募案件に対し「ノイズ除去などの前処理をかなり丁寧に行っている」などといったコメントが寄せられた。審査にはJR東関係者のほか、辻井潤一産業技術総合研究所人工知能研究センター長、杉山将理化学研究所革新知能統合研究センター長らが参加した。

 鉄道線路は各地で老朽化が進む上、保安員の高齢化などに伴う人手不足が課題。ビッグデータ活用により「少しでも作業を効率化できれば」と伊勢常務執行役員は期待する。同社はコンテストで得た知見や人的ネットワークを生かし、オープンイノベーション型の課題解決を目指すという。

 今回のコンテストは、経産省が推し進める「IoT推進ラボ」事業の一環。審査結果は27日に東京都内で開く表彰式で発表する。

日刊工業新聞2019年2月11日

  

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