ニュースイッチ

京大発ベンチャーが「パワー半導体」で産業革命を起こす

ジャパン・ベンチャー・アワード(JVA)2019
 中小企業基盤整備機構は5日、虎ノ門ヒルズ(東京都港区)で「ジャパン・ベンチャー・アワード(JVA)2019」の表彰式を開いた。経済産業大臣賞には、新素材を用いたパワー半導体開発をてがけるFLOSFIA(京都市西京区)の人羅俊実社長(=写真)を選んだ。受賞した人羅社長は、「地道な研究を積み重ねてきた。それを評価してもらえたことはありがたい」と喜びを語った。

 FLOSFIAは、2011年に創業した京都大発のベンチャー企業。「コランダム構造酸化ガリウム」を用いて、電力の損失が少なく低コストのパワー半導体を開発している。電子デバイスや電力変換器などの小型化や省電力化を加速させる革新的な技術を持つ企業として、経済産業省が取り組む有望なベンチャー企業の支援策「J-startup」にも選ばれている。

 JVAは、志の高いベンチャー企業の経営者を評価する表彰制度で、今回で18回目を迎える。創業後おおむね15年以内の中小企業の経営者・代表者が対象で、今回は184人から応募があった。応募者の傾向について、中小機構の高田担史理事長は「今回は日本のモノづくりや研究開発力を生かした事業や、持続可能な開発目標(SDGs)を強く意識した事業が多かった。応募者のレベルが年々高くなっている」と語った。

経済産業大臣賞以外の受賞者は次の通り(順不同)。

【中小企業庁長官賞】
KMユナイテッド(京都市左京区) 竹延幸雄創業者兼社長
Global Mobility Service(東京都港区) 中島徳至社長兼執行役員(CEO) 
【中小機構理事長賞】
サイフューズ(東京都文京区) 秋枝静香代表取締役
トリプル・ダブリュー・ジャパン(東京都千代田区) 中西敦士代表取締役
ライフイズテック(東京都港区) 水野雄介CEO
【SDGs推進特別賞】
WASSHA(東京都文京区) 秋田智司代表取締役
【eコマース推進特別賞】
スタークス(東京都品川区) 上ノ山慎哉代表取締役
【ベンチャーキャピタリスト奨励賞】
XTechVentures 手嶋浩己共同創業者兼ジェネラルパートナー
オプトベンチャーズ 野内敦代表取締役

<関連記事>
地方の国立大が生き残っていく「卓越」という選択
ニュースイッチオリジナル
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
今回受賞した8社の内、FROSFIAだけでなく、トリプル・ダブリュー・ジャパン、ライフイズテック、Global Mobility Serviceの3社も「J―startup」選出企業でした。受賞企業の今後の活躍に期待がかかります。

編集部のおすすめ