経営者と後継者の“対話”で企業の課題が浮かび上がる

連載・事業承継指南(2)

 「対話の視点」で、「現在」と「未来」(夢やあるべき姿)との間にギャップがあることに気付く。この気付きがとても大切で、このギャップを埋める取り組みが「事業の磨き上げ」である。会社・事業者ごとにこの磨き上げの課題は異なる。ギャップは自社のこれまで、現在、これからについて振り返る機会が無ければ見えてこない。「対話」はギャップに気付くための役割を果たす。現経営者と後継者が一緒に気付くことで、未来に向けて取り組むべき課題と伝え残していくべきこと、事業環境の変化に合わせて変えていくべきことなどが見えてくる。

 事業承継税制における「特例承継計画」は、まさに「ギャップ」に気づき、「ギャップを埋めるための取り組み(事業の磨き上げ)を整理し計画を立てる」ことを求めているものだ。

 大事業承継時代を迎え、自社のバリューチェーンの(あるいは地域社会の)プロセスや機能に目詰まりや寸断が生じかねないリスク、自社が他社のバリューチェーン(あるいは地域社会の)プロセスや機能を目詰まりや寸断を生じさせる要因となる状況が多方面に生じていることを認識したい。

 自社の事業について現経営者と後継者とが振り返るだけでなく、振り返りの対話の中で「他社や地域にとっての自社の機能や役割」「自社の関係者の自社にとっての機能や役割」というように周囲を眺め、状況を把握し、必要に応じて行動に移すことが必要だ。「対話の視点」ではじめよう。現在がその対話の時であると踏まえよう。(金曜日に掲載)
          

◇中小企業基盤整備機構 事業承継・引継ぎ支援センター 事業承継コーディネーター 大山雅己
前回の記事はこちら/深刻化する後継者不足、1番の問題は?

日刊工業新聞2019年2月1日

国広 伽奈子

国広 伽奈子
02月01日
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前回の記事では、経営者の「対話の視点」の不足が後継者不足の1番の課題に挙げられていました。何事もまずは話し合うことが大切です。事業承継指南の第3回は2月8日に掲載予定です。

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