「親から娘」だけでなく「夫から妻」も、“跡取り女房”が増えている!

親族内承継で女性社長続々

 事業承継する女性経営者を増やすため産学官による支援が一層求められている。後継者不在に伴う中小企業の廃業が相次ぐ中、事業継続するには経営者の親族が対象の親族内承継とともに、親族以外の役員や従業員、M&A(合併・買収)で第三者に引き継ぐ親族外承継が求められる。それでも日本の経営者は圧倒的に男性が多い。2016年4月に女性活躍推進法が施行され、女性起業家の支援などが強化されているが、経済活性化の観点から女性経営者をさらに育成する必要があるだろう。

 帝国データバンクがまとめた女性社長比率調査によると、18年4月末時点の女性社長の割合は7・8%にとどまった。

 一方興味深いのは同社調査で同族の親族内承継で事業を引き継いだ男女の新任社長の割合を比べると、男性が34・7%だったのに対し、女性は68・7%と男性を上回った点だ。一昔前は家業の承継は息子か、婿養子が一般的だったが、経営者の高齢化や後継者難を背景に親から娘あるいは夫から妻が事業承継する例が増えている表れだ。

 この流れを受けて同族経営による女性後継者や後継候補者を支援する動きが出てきた。昭和女子大学ダイバーシティ推進機構は女性事業承継者育成プログラム「“跡取り娘”人材育成コース」を18年10月に開講した。経営専門家や事業を引き継いだ女性経営者、金融機関が協力し、19年3月末までに月1回の計6回講義を行う。

 実家が運送業、建材商社などを営む11人が第1期生として参加。参加者から「新事業に挑戦したい」「経営を安定化させたい」などの声が上がっていた。これに対し、同機構の熊平美香キャリアカレッジ学院長は「どういうチャレンジができるかを学んでほしい」と語っていた。

 こうした女性による事業承継を一層推進するために地域の産学官が連携して支援に取り組むことが望ましい。同じ悩みを共有できる女性のネットワークづくりを後押しすることも必要だ。支援の成功例を共有し、“跡取り娘”の事業承継を加速してもらいたい。

日刊工業新聞2018年12月7日

  

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