日立の次世代ストレージ開発で問われた「いかに使うか」

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日立公式動画より(写真はイメージ)
 「たくさんのデータを持つだけでなく、いかに使うかが問われるようになっている」。日立製作所研究開発グループの川口智大主任研究員は時代の変化を語る。企業は人工知能(AI)を使って、異なる種類のデータを分析し、マーケティングや新サービスを開発している。現場で大量に生成されるデータを蓄積しながらも、同時に迅速に処理できる格納先(ストレージ)の重要性がこれまで以上に増す。

 今回、日立が開発したストレージは大きく二つの技術で構成される。一つが「圧縮・重複排除」。自社開発のアルゴリズムで、頻出するデータのパターンを見つけて、できるだけ短いデータに置き換えたり、データの特徴を計算したりして、同一データにまとめる。

 もう一つが世界初の「自動切替技術」。データは大別して指示を出してから短時間での出力を求める「応答性重視データ」と、単位時間当たりに処理できるデータ件数を問う「スループット重視データ」がある。これらは処理方式が異なるが、適切な処理を自動判断する。

 応答重視は細かいデータを高頻度で読み出す傾向にあり、スループット重視は大きなデータを一気に読み込む場合が多い。川口主任研究員は「大きなデータでも細かいデータに分割して書き込まれる場合があるため、その誤認をいかに防ぐかが課題だった」と振り返る。

 キャッシュ(DRAM)に一時保存された直近のアクセスデータを探し、連続性を確認し、切換制御機能にフィードバックすることで自動切換を実現。処理の高速化と容量の削減を両立した。

 ストレージの世界では数年前からハイエンドからミッドレンジに切り替わる動きが目立ち始めている。村瀬敦史プロダクツビジネス推進部長は「将来的には一つひとつの用途に合わせて製品を選んで頂くのでなく、1台で用途の多様化に柔軟に対応できる枠組みを提供したい」と語る。
(文=栗下直也)

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【製品プロフィル】
「Hitachi Virtual Storage Platformファミリー」ミッドレンジモデル
ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)を記憶装置とした次世代ストレージ製品。アルゴリズムを使ってドライブに書き込まれる容量を圧縮する技術やデータの自動判別技術を採用することによって、SSDの処理高速化を実現した。同じ性能のハードディスク駆動装置(HDD)に比べて導入費用を半分以下に抑えた。

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