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日産の臨時株主総会、4月開催へ。ルノーは何を要求?

資本関係の議論は始まるか
 日産自動車は前会長のカルロス・ゴーン被告の不正問題に関連し、取締役の解任と選任を目的とした臨時株主総会を4月中旬に開く方向で検討を始めた。決議事項は、ゴーン被告と元代表取締役のグレッグ・ケリー被告の取締役解任のほか、仏ルノーが新たに指名する取締役1人の選任に限定する方針。

 日産は2018年11月19日にゴーン被告とケリー被告が逮捕された直後に両氏を解任した。その後、ルノーは日産にコーポレートガバナンス(企業統治)について議論したいなどとして臨時総会開催を求めてきたが、これまで日産は拒否してきた。

 ルノーは会長兼最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン被告の後任に、会長には仏タイヤ大手ミシュランCEOのジャンドミニク・スナール氏、CEOにはルノー副CEOのティエリー・ボロレ氏の就任を決めたことで、日産は三菱自動車を含む3社連合が次のステップに進む土台が揃ったと判断した。

 スナール会長とボロレCEOの体制は、経験と力量から見て、スナール会長のリーダーシップが発揮されそうだ。スナール会長は3社アライアンスのカギを握る日産とルノーが折半出資する統括会社「ルノー・日産BV(RNBV)」の会長にも就任する可能性がある。スナール会長はフランス政府からの信任も厚い。

 日産の取締役にどちらが就任するかも注目される。経営体制を固め、アライアンスの方向性を再定義できなければ、あるべき資本関係の議論は始まらない。日産とルノーが歩み寄る場になるのか注目される。
ルノー新会長のスナール氏
日刊工業新聞2019年1月25日の記事を加筆・修正

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