入社してたばこを始めたJT社長、新「加熱式」に賭ける

新製品投入で巻き返しへ

 JTは17日、高温加熱型たばこ「プルーム・エス」と低温加熱型たばこ「プルーム・テック・プラス」を29日から予約販売すると発表した。プルーム・エスは加熱温度200度Cで紙巻きたばこの味わいを実現し、においを紙巻きたばこを100とした場合、5%未満に抑えた。価格はスターターキット(バッテリーやACアダプターなどを含む)が7980円(消費税込み)で、3種類あるメビウスブランドの20本入りのたばこスティックが各480円(同)。

 従来のプルーム・テックに吸いごたえを追加したプルーム・テック・プラスは、加熱温度が40度C。価格はスターターキットが4980円(同)、4種類のメビウスブランドのたばこカプセルは各500円(同)。

 いずれもたばこの葉を加熱し、たばこの味わいを楽しむベイパー(蒸気)商品。火を使わず、紙巻きたばこに比べてにおいが少ないことから、人気となっている。専門店やオンラインショップでの予約販売から始め、年内にはコンビニなどでも発売する計画。

日刊工業新聞2019年1月18日



寺畠社長の宣言


 日本たばこ産業(JT)は21日、小泉光臣社長(60)の後任に、海外事業統括会社JTインターナショナル(JTI、スイス・ジュネーブ)の寺畠正道副社長(51)を昇格させる人事を内定したと発表した。1985年の民営化以降、最年少の若さで社長就任となる。寺畠氏は2018年1月1日付で執行役員社長に就任し、3月27日付で代表権を持つ社長に就く。小泉氏は3月27日付で代表取締役を退任する。寺畠氏は21日の会見で「小泉社長が推進してきたグローバル経営を一層、強化したい」と抱負を述べた。

 小泉社長は後任に寺畠氏を選んだ理由について「グローバルなセンスを持ち、JTグループを中長期的に成長させる方策について考えが一致した」と説明した。寺畠氏は海外事業に長く携わっただけでなく、国内で経営企画部門を歩み、非たばこの食品事業も担当。国内たばこ市場は健康志向を背景に縮小傾向にあり、加熱式たばこなど新事業への対応遅れも指摘されている。

 寺畠氏は「世界では未開拓の市場が多くある」とし、国内は「加熱式たばこをしっかり進めていく」と語った。
寺畠正道社長(JT公式ページより)

どんな人?


 若い就任に不安がないかとの問いに「海外では自分より年齢が若い社長も大勢いる。年齢は特に意識していない」と語り、グローバル経営を推し進めていくと強調する。ビジネス環境が急速に変化していることを挙げ「プランを立てても状況がころころ変わる。変化に柔軟に対応できるようにしないと」と、先を見据える。

 海外経験から相手の話をよく聞くことと、論理的思考の大切さを学んだ。仕事ではフェアと透明性、謙虚さの三つを心がけ「この気持ちは今後も変わらない」と話す。縮小する国内たばこ市場については「しっかりシェアにこだわり、ブランド投資をする」とし、加熱式たばこは「動きはまだ始まったばかり。十分、巻き返せる」と余裕も見せる。

 釣りやゴルフを楽しむアウトドア派。たばこは「JTに入社して始めた」。好きな銘柄はメビウス。

【略歴】寺畠正道氏 89年(平元)京大工卒、同年JT入社。11年執行役員、13年取締役。同年JTI副社長。広島県出身。


(文=嶋田歩)

日刊工業新聞2017年11月22日

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。