仕事と家庭の両立、高い評価を受けた6社とは?
16日、女性の活躍推進や仕事と育児・介護との両立支援に積極的に取り組む企業を表彰する「平成30年度均等・両立推進企業表彰」の表彰式が女性就業支援センターホール(東京都港区)で開催された。均等推進企業部門(以下、均等部門)では、丸井グループと新日本科学の2社が厚生労働大臣優良賞を受賞。ファミリー・フレンドリー企業部門(以下、両立部門)では、社会福祉法人平鹿悠真会(秋田県横手市)、千葉銀行、アフラック生命保険、デンソーの4社が厚生労働大臣優良賞に選ばれた
均等・両立推進企業表彰は本年度で20回目。今回は均等部門に20社、両立部門には35社の応募があった。また、厚生大臣賞最優良賞には3社の応募があったが、該当企業はなかった。
均等部門を受賞した新日本科学は、現場の女性従業員の意見を参考に制度の見直しや階層別研修の拡充などを進めた。その結果、活躍する女性社員が増えて管理職における女性比率の向上につながっているという。
丸井グループは、女性の管理職比率や男性社員の育児休暇取得率など目標設定を見える化した。目標を数値として明確にしたことで、上位職志向を持つ若手女性社員や育児参画する男性社員の増加に有効な施策を展開することができた。
両立部門を受賞した平鹿悠真会は、秋田県南部で特別養護老人ホームなどを運営している。毎月実施する部門長会議などを通して従業員の要望をこまやかに把握し、迅速に環境整備にあたる体制が評価された。
千葉銀行では、社員の意識改革と併せて、育児や介護、家族の急病などによる急な欠員に対応する制度を導入。さらに、地元企業や全国の地銀と連携して、女性が活躍できるネットワークの形成に取り組んでいる。
アフラック生命保険は、8パターンから選べるシフト勤務制度など、従業員の生活スタイルに応じて働き方を選べる体制を整備。がんになっても職務復帰が可能な支援体制も整えている。
デンソーは、今後家族の介護に対応する社員の増加を見込んでいる。介護のシチュエーションや段階に応じた情報発信など、従業員の現状に合わせた支援が高い評価を受けた。
今回の表彰について、法政大学キャリアデザイン学部の坂爪洋美教授は「受賞企業はいずれも女性の活躍推進と働き方改革の連携、男性社員の働き方改善も視野に入れた施策、業界や地域など一企業の枠組みを超えた取り組みが評価されている」と受賞のポイントを語った。
また、両立部門への応募企業が多かった背景について「多様な働き方を推進する企業が増えている一方で、女性が活躍できる環境整備はこれから成果が出始めるという企業が多い」と分析した。
表彰式後に開かれたパネルディスカッションでは、受賞企業の担当者が各社の取り組みや課題、今後の展望などを紹介した。モデレーターを務めた淑徳大学人文学部の野村浩子教授は過去20年の受賞企業を振り返り、「仕事と家庭の両立を支える企業の取り組みはかなり進歩した。しかし、女性の活躍推進の取り組みは様変わりしたわけではない。まだまだ改善を進める必要がある」と語った。
また、野村教授は、日本におけるジェンダーギャップの改善が先進諸国の中でも後れをとっていることに触れ、「女性活躍が進んでいる欧州諸国でも『このままでは成長できない』という危機感が生まれている。今回企業の取り組みを発信することは、危機感を共有するいい機会になる」と述べた。
均等・両立推進企業表彰は本年度で20回目。今回は均等部門に20社、両立部門には35社の応募があった。また、厚生大臣賞最優良賞には3社の応募があったが、該当企業はなかった。
均等部門受賞企業の取り組み
均等部門を受賞した新日本科学は、現場の女性従業員の意見を参考に制度の見直しや階層別研修の拡充などを進めた。その結果、活躍する女性社員が増えて管理職における女性比率の向上につながっているという。
丸井グループは、女性の管理職比率や男性社員の育児休暇取得率など目標設定を見える化した。目標を数値として明確にしたことで、上位職志向を持つ若手女性社員や育児参画する男性社員の増加に有効な施策を展開することができた。
両立部門受賞企業の取り組み
両立部門を受賞した平鹿悠真会は、秋田県南部で特別養護老人ホームなどを運営している。毎月実施する部門長会議などを通して従業員の要望をこまやかに把握し、迅速に環境整備にあたる体制が評価された。
千葉銀行では、社員の意識改革と併せて、育児や介護、家族の急病などによる急な欠員に対応する制度を導入。さらに、地元企業や全国の地銀と連携して、女性が活躍できるネットワークの形成に取り組んでいる。
アフラック生命保険は、8パターンから選べるシフト勤務制度など、従業員の生活スタイルに応じて働き方を選べる体制を整備。がんになっても職務復帰が可能な支援体制も整えている。
デンソーは、今後家族の介護に対応する社員の増加を見込んでいる。介護のシチュエーションや段階に応じた情報発信など、従業員の現状に合わせた支援が高い評価を受けた。
今回の表彰について、法政大学キャリアデザイン学部の坂爪洋美教授は「受賞企業はいずれも女性の活躍推進と働き方改革の連携、男性社員の働き方改善も視野に入れた施策、業界や地域など一企業の枠組みを超えた取り組みが評価されている」と受賞のポイントを語った。
また、両立部門への応募企業が多かった背景について「多様な働き方を推進する企業が増えている一方で、女性が活躍できる環境整備はこれから成果が出始めるという企業が多い」と分析した。
20年間の進歩と危機感
表彰式後に開かれたパネルディスカッションでは、受賞企業の担当者が各社の取り組みや課題、今後の展望などを紹介した。モデレーターを務めた淑徳大学人文学部の野村浩子教授は過去20年の受賞企業を振り返り、「仕事と家庭の両立を支える企業の取り組みはかなり進歩した。しかし、女性の活躍推進の取り組みは様変わりしたわけではない。まだまだ改善を進める必要がある」と語った。
また、野村教授は、日本におけるジェンダーギャップの改善が先進諸国の中でも後れをとっていることに触れ、「女性活躍が進んでいる欧州諸国でも『このままでは成長できない』という危機感が生まれている。今回企業の取り組みを発信することは、危機感を共有するいい機会になる」と述べた。