女性の役員・管理職、増やすために必要なことは?

デロイトトーマツグループボード議長・後藤順子氏に聞く

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経営体制に多様性が求められている
**女性の管理職層を分厚く
 東京証券取引所の「企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)」改訂版が6月に施行され、取締役の人選に多様性を求められるようになった。6月にピークを迎える3月期決算企業の株主総会では、女性を役員に登用するケースも出てきた。デロイトトーマツグループにおけるガバナンスのトップであるボード議長にこのほど就任した後藤順子氏に女性活躍の推進について聞いた。

―議長就任にあたっての抱負は。

 「非常に責任の重い仕事だと実感している。グループとして横串の連携を強化し、スピード感を持った経営に取り組んでいく。ガバナンスの長として、多面的な視点でグループ経営ができているか、ボードメンバーと共にしっかりと監督していきたい」

―ご自身はニューヨークで約9年を過ごしました。

 「デロイトトーマツにおいて、米国に駐在した女性は私が初めてだった。日々の仕事を夢中にやっていたが、その後、経営に参画するとは考えてもいなかった。当時は、会計士の女性が少なく目立っていたので(目をかけてもらうことが多く)振り返ると幸運だった」

―上場企業で役員に女性を登用する動きが出てきました。この流れをどう見ますか。

 「素晴らしいことだ。現場で頑張った女性が部長や執行役員になり、取締役まで上がってもらいたい。そうした人たちが増えることで、初めて女性の社会進出が進んだと言えるのではないか。現在は社外取締役に女性が登用されるケースが多い。ガバナンス・コードでも、社外の人が活躍できるように情報をしっかりと提供する必要性について触れている。それが本当にできるかは、経営者の姿勢がポイントになる」

―グループとして2020年までに、女性管理職比率を21%(18年5月時点で15・7%)、女性パートナー・ディレクター比率を11%(同8・2%)を目指しています。

 「当グループの比率目標は海外と比べるとまだまだ低く、満足はしていない。今後、目標を再度検討して数値を引き上げ、期限を設定して取り組む必要があると考えている」

―そのために実施していることは。

 「1万2000人の当グループ全メンバーを対象に、アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)に気付き、公平な意思決定を行うための研修を実施している。まずは、女性の管理職の層を分厚くするために、パートナーやディレクターになれるように支援していく」
(文=浅海宏規)
デロイトトーマツグループボード議長・後藤順子氏

日刊工業新聞2018年10月2日

COMMENT

後藤ボード議長は米国滞在中、仕事に関して相談できる助言者(メンター)に出会えたことが大きな財産になったという。制度面の充実と合わせて、多様な価値観の受け入れや、コミュニケーションの浸透など女性が働きやすい職場環境の構築が欠かせない。(浅海宏規)

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