繊維各社がこぞって狙う、スマート衣料の成長性

2019年度から本格展開

 繊維各社がウエアラブル(着用型)端末や素材を使ったスマート衣料事業に力を入れている。帝人はスポーツの動作解析や、心拍などの生体情報の取得に使用するスマート衣料を2019年度から本格販売。東洋紡も19年度に、フィルム状の導電素材を使ったスマート衣料の投入を目指す。クラボウは作業現場の暑熱リスク管理向けに展開するスマート衣料について、学生の部活動など新たな用途展開を模索している。

 帝人子会社の帝人フロンティア(大阪市北区)は、高機能繊維とセンシング技術を組み合わせたスマート衣料の新ブランド「MATOUS(マトウス)」を立ち上げた。ゴルフのスイングなど主にスポーツの動作解析に使用する「マトウスMS」と、心電や心拍、運動量などの生体情報を取得する「同VS」の2製品を19年度から展開。25年度に売上高300億円を目指す。

 工場の熟練作業者の動作解析や熱中症予防といった労働現場での利用も視野に入れる。「売り切りやレンタルなど用途に応じた販売形態を考えたい」と、帝人フロンティア技術・生産本部技術開発部イノベーション開発課の安光玲課長は説明する。

 東洋紡のスマート衣料はフィルム状の導電素材「COCOMI(ココミ)」を使用。心拍や加速度、体表温などのデータを取得できる。健康管理やスポーツのほか、ペットの見守りといったユニークな用途も想定。現時点で100回程度の洗濯に耐えられるが、19年度からの本格販売に向けて一層の耐久性向上を目指している。

 一方、クラボウはスマート衣料を使い工場などの作業者の暑熱作業リスクを管理するサービスを18年5月に開始した。人工知能(AI)を活用し、体調管理の評価の精度を高めているのが特徴。現在は早稲田大学と連携し、学生の運動時の体調管理に技術を応用する研究を進めている。

 このほか東レも、着用型センサーとスマートフォンを使って工場などの作業者の体調を管理するサービスを近く開始予定。ウエアラブル端末の出荷台数は年率2ケタ成長が続くとの予測もあり、スマートウエア市場は活況が続きそうだ。

東洋紡はフィルム状の導電素材を使ったスマートセンシングウエアを来年度に販売予定

日刊工業新聞2019年1月17日

  

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