3年目の小池百合子知事「“稼ぐ東京”になる」

「東京都ほどIRを研究しているところはない」

 2020年東京五輪・パラリンピック開催まであと1年あまり。東京都知事就任3年目に入った小池百合子知事に、産業政策などについて聞いた。

―官民調達案件やビジネスマッチングを促す電子入札システム「ビジネスチャンス・ナビ2020」の利用状況は。

 「ユーザー登録数は現在2万8000件超。20年東京五輪・パラリンピック組織委員会や都の外郭団体をあわせ13団体も利用中だ。私の友人で64年大会の時に、五輪の発注を受けてそれが会社の大きな飛躍につながった中小企業の経営者もいる。20年大会の時にわが社が伸びたんだ、という企業が増えたらいいなと思う」

―東京都中小企業・小規模企業振興条例が成立、施行しました。都内中小企業の支援をどう進めますか。

 「日本は世界に類を見ないロボット大国だ。ちょっと後押しするだけでさらに大きく発展する可能性を秘めている。東京都立産業技術研究センターではこれまで案内ロボットなど20を超える開発プロジェクトをサポートしており、展示会出展などを通じてロボットを開発した企業と導入したい企業のマッチングを促進する。さらに、ロボットを設計する人材育成も強化する」

―大都市の税財源を地方に再配分する偏在是正措置で、都の法人2税(事業税と住民税)約9200億円が地方へ配分されます。

 「これほど地方分権がないがしろにされたことはない。国は力を奪うのではなく、パイを増やす、成長を促すべきだ。国の特区制度を活用して国際金融分野に風穴を開けてきた。ベンチャー企業を後押しするなど“稼ぐ東京”になることを目指す」

―カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法が成立しました。都はいつ、正式に手を挙げますか。

 「数カ月前にアンケートの形で、ある意味の意思表示をさせていただいた。ギャンブル依存症など懸念の声もあり、さまざまな課題を検討する必要があるが、東京都ほど長年にわたってIRを研究しているところはない。その蓄積は大切にしたい」

【記者の目/経済成長促す施策を着実に】
 豊洲市場も無事に開場。現在編成中の19年度予算案では、若者や女性の起業を後押しする創業支援ステーション(仮称)を多摩地域に新設する目玉事業を打ち出す予定だ。都税収が国に奪われ続けるならば、次々と打ち出す新規施策の一つとしてIR誘致も現実味を帯びてくる。まずは着実に稼ぐ力をつけていくことからになる。(大塚久美)

日刊工業新聞2019年1月4日

  

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