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開発者の本音、レクサスESは「右後方からの眺めが好きだ」

章男社長に「ずっと運転していたい」と言わしめた7代目
開発者の本音、レクサスESは「右後方からの眺めが好きだ」

レクサス公式ページより

【トヨタ自動車レクサスインターナショナルチーフエンジニア 榊原康裕氏】

 7代目となるレクサスESは、乗り心地や静粛性、室内空間の広さといった快適性にこだわった。これを実現するため新たな知見を採り入れた快適性の進化と、高いデザイン性や走行性を重視し、両立を目指した。エンジニアとしては難しいテーマだが、「二律双生」させてこそ新たな魅力が生まれる。

 快適性向上の要素の一つが、レクサスが蓄積してきた各地のニーズだ。例えば中近東での厳しい暑さをはじめ米国、アジア、ロシアといった、これまで展開してきた地域の環境下で鍛えられてきた知見を生かした。

 車台は新たに「GA―Kプラットフォーム」を採用し、低重心や軽量化を実現した。一目で走りを予感させる「ワイド&ロー」のデザインが特徴だ。個人的には右後方からの眺めが好きだ。パワートレーンも刷新。次世代エンジンと、新型ハイブリッドシステムを組み合わせ、低速から高速までストレスなく移行できる。

 小さな動きに対しても減衰力を発揮し、高い応答性を実現する「スウィングバルブショックアブソーバー」は、走り心地に加え疲労低減に寄与する。音の周波数解析を活用するなど、心地よい車内空間を徹底している。

 走りを追求したモデル「Fスポーツ」は“鋭い走りイコール日本刀の切れ味”ということで、内装に日本刀の仕上げ工程「刃取り」に着想を得た専用のアルミニウム製オーナメントパネルを用いた。

 日本向け高級モデルの「バージョンL」には、初となる電子アウターミラーをオプション採用した。視線の移動を少なくするほか、ユニットの小型化で斜めの視線も確保できる。

 量産は初めてで組織を作るところから苦労したが、世界初ということで技術者のモチベーションは高かった。検証もとことん行った。単なる新技術の導入だけでなく、人に不安を与えない安心感ある車両を追求している。

 豊田章男社長からは「ずっと運転していたい」という感想をもらった。最も印象的でうれしく、狙い通りだと思った瞬間だ。週末に1回乗る車ではなく、日々使ってもらう車だ。着心地の良いシャツを着たり、お気に入りの時計を着けたりした時のときめきのような、上質な快適性を感じてもらいたい。
日刊工業新聞2018年12月18日

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