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日本電産のEV用部品、“大国・中国”の自動車大手に初採用!

世界で拡販加速
 日本電産が電気自動車(EV)向けなどに展開する、「トラクションモーターシステム=写真」と呼ばれる駆動部品が量産車に初めて採用された。中国車大手の広州汽車集団の子会社、広汽新能源汽車の新型EV「Aion(アイオン)S」に搭載される。日本電産はEVやプラグインハイブリッド車(PHV)向けに、同システムの開発を進めてきた。EVの重点市場と位置付ける中国を中心に、世界各国で拡販を加速する。

 同システムはモーターやインバーター、ギアを一体化した。最大出力は150キロワット、最大システム出力トルクは3900ニュートンメートル。同クラスのガソリンエンジンと比べて、重量は約半分の87キログラムと軽量化した。小型化により、車を設計する自由度も高まる。

走るスマホに期待高まる、投資の40%を車に


(日刊工業新聞2018年5月3日掲載より一部抜粋、内容・肩書きは当時のもの)

 電子部品各社は、いつかはくるとしてきたスマホ市場の縮小に向けて、自動車市場へのシフトを進めてきた。特に力を注ぐのはCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に関わる新領域だ。異業種間の激戦は避けられないが、新規参入によって実現できる技術も多い。電子部品各社にとっては安全性などの課題はあるものの、自動車の電装化・電動化のトレンドは“走るスマホ”を意味する。スマホのような設計や通信、操作などは強みを発揮できる可能性がある。制御技術や小型化技術など製品開発のロードマップを描きやすく、CASEの領域で活躍が期待される。

 日本電産は車載向け事業の拡大を鮮明にする。今後3年間で5000億円の設備投資を計画するが、そのうち約2000億円は車載向けに割り振る考えだ。19年には電動自動車(EV)の車輪を駆動させる「トラクションモーター」を中国で量産する。環境規制の強化などでEV向け製品の主戦場になると見られる中国市場を攻略し、将来は同モーターで世界首位を狙う。永守重信会長兼社長は「車載向けは受注高が伸び、収益性も改善している」と、成長のけん引役として大きな期待を寄せる。
日刊工業新聞2018年12月14日
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
中国は言わずと知れたEV大国。採用車の売れ行きに注目したいです。

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