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日本電産、20年度の開発費1000億円の大台へ。何に使う?

IoTで新事業創出
日本電産、20年度の開発費1000億円の大台へ。何に使う?

永守重信会長

 日本電産は2021年3月期にも、研究開発費を18年同期比約80%増の約1000億円に引き上げる。2月に稼働した生産技術研究所(京都府精華町)をはじめ、M&A(合併・買収)に伴う研究開発拠点や技術要員の増加などに対応する。車載向けやロボット向けモーターなどの開発を引き続き強化するほか、IoT(モノのインターネット)を利用したモーターの活用など新規事業の創出を加速する。

 日本電産はマイコンを内蔵し、運転状況に応じて適切に駆動するモーターの開発などに力を入れている。研究開発費を充実させ、次代の重点事業につながる技術開発を急ぐ。モーターをIoT技術と組み合わせて、省エネルギーを実現する新しいツールとしての展開などを目指す。

 同社は現在、重点事業と位置付ける車載向けや家電向けモーター、ロボット用減速機などが好調に推移。21年3月期までの3年間に約5000億円の大規模な設備投資を進める。成長投資の段階に入った、これら事業の研究開発も進め、さらに差別化する。

日本電産の売上高と研究開発費

 研究開発費は18年3月期実績が554億円、19年3月期予想が630億円。直近10年間は売上高に占める研究開発費の割合は4%前後で推移している。今後も研究開発費の割合は同程度の水準を維持する方針。中期経営計画で21年3月期の売上高目標2兆円を掲げており、研究開発費は成長投資を織り込み約1000億円を見込む。
日刊工業新聞2018年8月3日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
「モーターが“産業のコメ”になる」とは永守重信日本電産会長の言葉。電気自動車(EV)をはじめ、同社のモーターが活躍するフィールドはますます広がっている。コメの品種改良を押し進め、地球規模で高まる省エネルギーのニーズに応える。(日刊工業新聞京都総局・日下宗大)

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