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果物の食べ頃をメールでお知らせ

コミュニケーションのきっかけも提供、付加価値向上でリピート購入を狙う
 サトーは、贈答用果物の食べ頃を購入者や贈答先に知らせることができるソリューションシステム「coro―eye(ころあい)=写真」を開発、12月に発売する。果物の硬度で食べ頃の時期や賞味期限を読み取り、その情報を消費者にメールで知らせる。切り方などの豆知識や食べた側の評価、お礼メッセージなどで生産農家と果物店、送り主、最終消費者を互いにつなぐサイトも構築する。付加価値を高め商品のリピート購入につなげる。

 同システムは果物の硬度測定器とプリンター、クラウドシステムとタブレット端末で構成。硬度測定器は広島大発ベンチャーの生物振動研究所が開発した。

 メロンなどの果物を1個ずつ2次元コード「QRコード」を付けた上で測定器にかけ、食べ頃や賞味期限を「23―25日、期限は28日」といったように特定する。その情報をクラウド上で管理し、生産農家、果物店、送り主、贈答先の4者がサイトにアクセスして確認する仕組み。

 娘や息子が遠方の家族に果物を送る場合、「今日、メロン送ったよ」などの通常メールに加え、「明日が食べ頃だよ」「おいしかったよ。ありがとう」といったメールで絆を強められる。生産農家や果物店は客のやりとりで商品評価を知り、直接のコミュニケーションもできる。

 マスクメロンやスイカ、文旦、新高梨など1個が巨大で高価な果物での利用を想定する。品種や糖度だけでなく、食べ頃や調理法など付加価値情報を伝えられることで販売価格を高められる。硬度測定器とプリンターの消費税抜きの価格はそれぞれ30万円と15万円だが、月6000円と3000円のリース料金も設定し、普及を図る。
日刊工業新聞2018年11月28日

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