基礎化学品メーカーの新たな挑戦、女性社員が化粧品ブランドを開発

北海道曹達、販路の違いに驚きも

 北海道曹達(北海道苫小牧市、奥野宏之社長、0144・55・7862)は、化粧品事業を本格展開する。化粧品ブランド「DA CAPO(ダ・カーポ)」を立ち上げ、10月から販売を始めた。女性だけのプロジェクトチームで開発し、有名専門店での販路を確保した。当面は年間数千万円の売上高を目指す。基礎化学品メーカーとしてこれまで企業間取引が中心だったが、化粧品では一般消費者向けに全国での販売に挑戦する。

「大人しやか」


 ダ・カーポは洗顔せっけん、化粧水、美容液、乳液のスキンケア商品で構成する。専用ホームページから購入できるほか、札幌市内の東急ハンズ2店舗で販売している。このほど東京都内の二子玉川のロフトでの販売が決まった。ダ・カーポの開発を主導した北沢由梨亜企画・管理本部企画部事業企画室主査は「敏感肌の30―40代女性がターゲット。落ち着いて穏やかな様である『大人しやかな』美しい肌になってもらいたい」と話す。

カニの成分活用


 特徴はカニやエビの甲殻に含まれる成分から開発した「キトサンエキス」を配合したことで、高い保湿性を実現したことだ。化粧品で用いられるヒアルロン酸の約2倍の保湿性がある。キトサンエキスを国内で開発しているのは北海道曹達だけ。同エキスの基となるキトサンは、カニやエビの甲殻から精製される天然高分子で「海のミラクル繊維」と言われるという。

 同社はこれまで、キトサンエキスを使った化粧品ブランド「キトローション」を展開していた。ただ販売はネットと地元温泉街だけにとどまり、同社のPR用に商品を配布する程度だった。こうした状況から本格的なブランドを立ち上げるため、2016年11月に女性8人によるプロジェクトを始動。新規事業を展開したいという会社の思惑も新ブランド開発を後押しした。

積極的にPR


 同社にとって、消費者向けの商材を本格的に扱うのは初めての試み。問屋を介して商品を流通させるので「販路が全く違う」(北沢主査)と驚く。販売を伸ばすには「まずは知ってもらわないといけない」(同)と、店舗でのサンプル配布を1週間に1回程度実施。10月27日には新千歳空港でイベントも開き、PRに努めた。

 メンバー8人中、専属は2人で残り6人は他の業務を兼務しており「やりくりするのが大変」(同)という。だが、北海道発の化粧品を全国に広げるため積極的にPRに努める考えだ。
(文=札幌支局長・村山茂樹)

日刊工業新聞2018年11月15日

  

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