増益続く電子部品各社、スマホで明暗も車載向け堅調

19年3月期見通し、7社中6社が営業増益予想

 電子部品大手7社の2019年3月期連結業績予想が7日に出そろい、6社が増収・営業増益見込みとなった。各社とも18年4―9月期に車載向け製品が堅調に推移し、今後もその傾向が続く。一方、スマートフォン向けは明暗が分かれる。スマホの高機能化を受けて引き合いが高まる一方、市場の成長鈍化によりスマホ向けの売り上げが減少する企業もある。下期(10月―19年3月)の見通しもスマホ市場への期待に差がでた。

 電子部品業界は、稼ぎ頭の車載向けへの全社一様の姿勢とは異なり、スマホ市場の見方には温度差がある。ミネベアミツミは同日発表した19年3月期連結業績予想(国際会計基準)で、当期利益を上方修正した。スマホ市場に陰りが見られるが、米田聡執行役員は液晶用バックライトの状況について「スマホの売れ行きなどを織り込んだ上で通期業績を予想している」とした。

 アルプス電気の18年4―9月期の電子部品事業は、スマホ向けではカメラアクチュエーターがけん引した。だが、下期は不透明感が漂い、業績予想も営業減益を見込む。「(スマホは)世界的に踊り場に来ているのは否めない」(気賀洋一郎取締役)として警戒感を強める。

 京セラの谷本秀夫社長は「持ち直している」と期待を寄せる一方、村田製作所の村田恒夫会長兼社長は「第4四半期に落ちていく」と指摘。これを織り込み、見通しに特段の変更はないとしている。

 スマホ向け事業に温度差がある中、電装化などが進む車向けの事業は依然として各社の成長を支える大きな柱だ。

 日本電産は18年4―9月期の車載部門の営業利益が前年同期比21・6%増の228億円と大きく伸びた。電気自動車(EV)の車輪を駆動させるトラクションモーターは「ケタの違う引き合いがある」(永守重信会長)こともあり、車載向け製品の増産投資を押し進める。

 TDKは旺盛な需要が続く自動車市場で積層セラミックコンデンサー(MLCC)などが堅調だった。18年4―9月期のMLCCを含む受動部品事業の営業利益は同31・5%増の304億円だった。石黒成直社長は「一部で民生用ではMLCCが少し緩んできたという話も聞くが、車載向けは相変わらず逼迫(ひっぱく)している」と話す。

 村田製作所も車載向けを中心にMLCCの収益が「想定以上に」(村田会長兼社長)伸びた。コンデンサーの18年4―9月期の売上高は同30・9%増の2736億円だった。ロームも車載向けを中心に堅調で、下期も「車関係の受注は落ちていない」(藤原忠信社長)という。
                   

(文=山谷逸平、京都・日下宗大)

日刊工業新聞2018年11月8日

明 豊

明 豊
11月12日
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村田製作所は中国工場(江蘇省無錫市)のMLCCの生産能力を増強すると発表しました。投資額は約140億円です。2019年12月に完成する予定。同社のMLCCの年間生産能力は10%引き上げる目標を掲げており、今回の投資はその一環。

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