トヨタ系部品メーカー13社、利益伸び悩みのワケ

4-9月期決算。将来への種まきか、低迷の始まりか

 トヨタ自動車系サプライヤーの収益が伸び悩んでいる。主要13社の2018年4―9月期連結決算で、9社が営業減益となった。売上げは伸びているのになぜか-。

 大手部品メーカー7社は全社が増収、アイシン精機を除く6社が営業減益だった。新型車向けなどの部品販売が伸びデンソーやアイシン、豊田自動織機、豊田合成が売上高で過去最高を更新。一方、主に鉄鋼・アルミニウムに対する輸入関税や原油価格上昇などによる原材料費上昇、設備投資、次世代技術への先行投資が利益を圧迫した。

 デンソーはグローバルでの車両生産増による販売拡大などでほぼ全地域で売上高を伸ばしたが、生産能力増強など先行投資がかさんだ。研究開発費は車の次世代化を見込み、通期で50億円を積み増し5000億円とした。米中貿易摩擦など通商問題の影響は、通期で「10億―50億円の間くらいになる」(松井靖常務役員)とした。

 アイシンは主に自動変速機(AT)やボディー部品の販売が好調で、売上高、営業利益が過去最高を更新した。一方、貿易摩擦の影響で中国での新車販売が減少。19年3月期の通期見通しは全利益段階で下方修正した。ただ伊勢清貴社長は「中国市場の潜在性は高く、これから伸びる。生産能力増強をしかける」と、設備投資計画の変更は否定した。

 豊田自動織機は、自動車用部品やフォークリフトなどの販売が増加。ジェイテクトもステアリング(操舵装置)、軸受販売が増えたが、原材料費の値上がりが響いた。トヨタ紡織も生産準備や先行投資などが影響。豊田合成は独占禁止法関連の訴訟費用がかさんだ。

 19年3月期の営業利益見通しはデンソー、豊田合成が上方修正。アイシン、愛知製鋼は下方修正した。愛知製鋼は需給バランスの崩れなどから、下期の原材料費が20億円ほど増える見通しを示した。

 一方、中堅部品メーカー6社の4―9月期連は2社が増収営業増益だったが、3社が営業減益となった。中国やアジアの販売が好調ながら北米の不振や設備投資の負担増、原材料費高騰などが影響した。

 東海理化はアジアでスズキ向けシートベルトなどの販売が好調に推移。売上高と経常利益で同期の過去最高を更新した。ファインシンターは米国でスポーツ多目的車(SUV)用新規部品の販売が伸長。愛三工業は北米の販売減をアジアの堅調がカバーし、前年同期比ほぼ横ばいだった。

 大豊工業はトヨタの新設計思想「TNGA」向けの設備受注が一服。銅やアルミニウムなど原材料費高騰も響いた。中央発條は北米での車の電子化や、国内の災害で部品販売が減少。フタバ産業は金型や熱間プレスなど、日本での設備投資や経費負担が響いた。

 また3社が19年3月期見通しの全利益段階を下方修正した。東海理化は新製品の品質対応など、通期の設備投資を当初予想比35億円増の265億円に積み増した影響や新興国通貨安が響く。大豊工業やフタバ産業は上期の業績を織り込んだ。

 各社は米中貿易摩擦などの通商問題にも言及。顧客を含め動向を注視する姿勢を示した。中央発條はワイヤハーネスなどで、生産集約をはじめ体制の見直しに着手し、高江暁社長は「来年春をめどにグローバルで最適化したい」と述べた。
                

                

日刊工業新聞2018年10月31日/2018年11月1日の記事を加筆・修正

  

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