東証4市場が再編視野、問題点はどこ?

懇談会で議論

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東証と大阪証券取引所の統合から5年。あらためて問題点を検証する(東京証券取引所)
 日本取引所グループ(JPX)傘下の東京証券取引所が、現物株を取引する東証1部、2部、ジャスダック、マザーズの再編を視野に検討を進めることになった。「市場構造の在り方等に関する懇談会」(神田秀樹座長=学習院大学大学院教授)を設置し、月内にも議論を始める。2013年に東証と大阪証券取引所(現大阪取引所)が経営統合してから5年が経過し、あらためて問題点などを検証していく。

 懇談会では4市場を今後、どうしていくかについて有識者に論点を整理してもらい、将来のあるべき市場構造を見いだしたい考え。懇談会が結論をまとめる時期は未定だが、論点を整理した後、一般にも広く意見を募る方針だ。

 現状、上場企業数は約3600社ある。08年のリーマン・ショックなど、株式を公開する企業数が伸び悩むことが一時あったものの、全体ではここ数年、増える傾向にある。

 中でも1部上場企業は、13年末の1774社から17年末には2062社へと増えた。

 JPXの清田瞭最高経営責任者(CEO)は、先月末に行われた定例会見で、1部上場企業が2100社を超える現状を「非常にありがたいこと」としながらも、「一般的に1部上場の企業は、一流企業という認識を持たれる方も多いと思う。だが、現状の制度では、1部と2部の違いは、株式の流動性の差をポイントにしている」と指摘。社会的な認識と制度の狙いに相違があることに問題点があるとの認識だ。

 また、四つの市場があることについて清田CEOは「多いと思う」と言い、2部、ジャスダック、マザーズの各市場について「重複している機能や異なる機能の整理が必要だろう」とも話す。

 2部は、1部に比べて時価総額が小さい中・小型株の上場が中心。一方で、新興企業の上場先としてジャスダックとマザーズがあるが、これまでにも区分が分かりにくいという指摘はあった。

 市場の再編を視野に入れつつも、企業の成長を促す上場制度のあり方など、議論の活性化が期待される。

 

(文=浅海宏規)

日刊工業新聞2018年11月13日

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