売買単位「100株統一」で企業はどう変わる?

個人株主を重視する方向へ

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誤発注リスク軽減された(東証アローズ)
 全国の証券取引所に上場する企業の株式売買単位が、10月1日までに100株に統一される。東京証券取引所(東証)によると、これまでに9割超の上場企業が100株へ変更した。株式の売買単位が統一されることで証券会社や個人投資家による誤発注リスクが軽減される。また、売買単位をそろえることにより株価の比較が容易になるなど利便性の向上が期待される。

 売買単位の統一は2007年から進められてきた。当初は1株や10株、50株など、8種類存在した売買単位は、14年までに100株と1000株の2種類に集約。15年には上場企業の約70%が100株単位となるなど、移行が進んだ。

 大和総研金融調査部の横山淳主任研究員は「取り組みを始めた10年ほど前と比べると、非常に分かりやすくなった。ミスの発生が起こりにくくなるなど、非常に意義がある」と指摘する。

 東証によると9月1日時点で単元株式数が100株の上場会社は14年4月から1176社増え、市場全体の96・1%となった。上場廃止の場合を除き、「10月までにすべて100株単位に変更される見通し」(東証)という。

 売買単位が100株になると、最低投資額は単純に計算すると下がる。このため個人が株を買いやすくなることも期待される。

 堅調な企業業績もあって、個人株主数は増加傾向にある。東証などがまとめた17年度の「株式分布状況調査」によると、17年度の全国4証券取引所上場企業の株主数合計(延べ人数)は、前年度比166万人増の5272万人。全体の97%を占める個人株主数は同162万人増の5129万人で、4年連続で増えた。

 個人株主数の増減要因では、上場廃止会社の影響で29万人減ったものの新規上場会社で39万人増、株式分割・売買単位引き下げ実施会社で74万人増、その他の会社で78万人増となった。

 株式の売買単位が統一されても企業業績が変わるわけではなく、むしろ個人株主の増加は管理コストが増えるなど課題も出てくるが、「マーケットの混乱を防ぐことで市場への信頼性は高まる」と大和総研の横山主任研究員は話す。
                  

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また企業による株式の持ち合い解消は進んでおり、今後は個人株主を重視するケースが増えそうだ。 (日刊工業新聞・浅海宏規)

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