IHI、バイオマス燃料参入。マレーシア現地法人で生産し日本へ輸出

  • 0
  • 0
パーム油の搾油過程で発生するパームヤシ空果房を活用する
 IHIは固体バイオマス燃料製造事業に参入する。パーム油の搾油過程で発生し、大量廃棄されているEFB(パームヤシ空果房)をマレーシアで活用。EFBペレットに変換し、主に固定価格買い取り制度(FIT)の支援で需要が高まる日本のバイオマス発電所向けに輸出する。二酸化炭素(CO2)排出量低減が課題の石炭火力の代替燃料として注目されており、3年後に事業規模60億―70億円を目指す。マレーシアの産業育成に貢献することも視野に入れる。

 IHIはマレーシアに100%出資の現地法人「IHIソリッドバイオマスマレーシア」を設立した。資本金は4億5000万円で、当初の従業員数は10人。複数のパーム搾油工場と契約し、初年度に年4万―5万トン、3年後に同40万―50万トン製造する方針だ。

 水分や灰分を多く含むEFBを微粉炭焚石炭火力や循環型常圧流動層ボイラで使用可能なレベルに改質してEFBペレットを製造。現在普及しているPKS(パームヤシ殻)や北米産木質ペレットと同等の1トン当たり1万5000―2万円の価格を見込む。

 現状、FIT制度の対象外だが、PKSと同じく「一般木材等バイオマス」の調達価格になるよう、業界団体などが経済産業省の調達価格等算定委員会に陳情している。

 IHIは今後、増産や大量輸送でコストを引き下げ、長期・安定して供給可能なバイオマス資源として普及させる。政府のエネルギーミックスによると、30年度の電源構成のうちバイオマスは3・7―4・6%程度を占める。需要拡大に対応し、燃料調達の多様化が求められている。

 パーム油はマレーシアとインドネシアで世界の8割超が生産され、両国とも環境・社会に配慮した第三者認証制度を運用している。IHIはマレーシアの大学と共同で、ペレット製造過程で発生するカリウムなどを回収し、肥料に使うための技術開発も進めている。

日刊工業新聞2018年11月8日

関連する記事はこちら

特集