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ユニクロ・柳井氏進言「BツーBではパナソニックブランドは輝かない」

パナソニック100周年イベントで講演
ユニクロ・柳井氏進言「BツーBではパナソニックブランドは輝かない」

柳井正氏(ファーストリテイリングフォトライブラリーより)


車の民主主義


 例えば、こんな時代だからこそ、もっと大きな夢を持ってほしい。ここにLifeCar(ライフカー)と書いた。世界一の自動車会社になる。そういう大きな夢が必要ではないか。世界一が全部をとって食う時代だ。その前に世界に通用するパナソニックを代表する製品を作らないといけない。

 従来の自動車ではなく、世界の人々の生活を変える。生活を豊かにし、便利にする。自動車メーカーはモビリティーのことしか言ってないが、モビリティーの問題じゃないんじゃないかと思う。ガソリン車の将来は不透明だ。EVも将来何がデファクトスタンダードになるかわからない。

その中で、LifeCarは性別や国籍、年齢、職業を超えたあらゆる人のための車。高機能で良いデザイン。これをあらゆる人が買えるようにする。高品質な、生活のための道具。これを大量にリーズナブルな価格で、圧倒的なスピードで世界に供給する。誰でもいつでもどこでも高品質な車を使えるようにする。これが車の民主主義だ。

世界の人の生活を変える


 私は幸之助さんと同時に、アップルのスティーブ・ジョブズさんを尊敬している。彼は世界の人の生活を変えた。今のiPhoneのようなものを創ってもらいたい。アイコニックな製品がない限り、完成された商品と店舗、マーケティングがない限り、いかに良い事をやっても世界中のお客様は買ってくれない。

 もう一つLifeHome(ライフホーム)。10年後に今の延長線上ではない、世界一の住宅メーカーになる。世界中の誰もがどこでも高品質な住宅を安心して使えるようにする。これが住まいの民主主義だ。

 例えば、スマートフォンで注文すると、世界中のどこでも大型ドローンで配達して、1日で組み立てられる。必要な家電や情報機器が全て入っている。屋根にはソーラーパネルがあって、すぐに住める。もちろんクローゼットにはユニクロの服。

 30万円のライフカーを世界で10億台、300万円のライフホームを10億軒売れば、売上高は33兆円。経常利益はたぶん5兆円くらいになる。

それくらい大きく考えてやってもらったらいいんじゃないか。全く新しい概念の製品を生み出し、世界中の人の生活を変えて、よりよい社会をつくってほしい。そのようなパナソニックになってほしい。

一緒に大きな夢へ


 いまデータがオイルに変わると考えている人がいるが、私はそうでないと思う。データにはオイル以外も入っている。オイルは精製しないと使えないのと同じで、これをもう一度、人間の発想力で組み替えないといけない。

 情報産業企業が世界を征服する、Aが先頭につく会社が世界を征服する、と考える人がいる。それはあり得ない。お客様にとって便利で、メリットがある、最も良い企業が世界一になる。

 Change or Die。これからの3年はそのように変わる。全く新しい次元の競争が始まっている。自分から変わらなければならない。受け身は衰退する。停滞は死を意味する。

 これからの200年、300年、パナソニックもファーストリテイリングも世界中の人に愛され、尊敬の的になり続けられるように、ぜひ一緒に大きな夢に向かって前進しよう。
ニュースイッチオリジナル
梶原洵子
梶原洵子 Kajiwara Junko 編集局第二産業部 記者
パナソニックは、新しい概念として「HomeX」を発表しました。これからの変化に注目したいです。

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