地方大学が予算をかけずにPR冊子を1万部発行する方法

徳島大学、11月2日に「企業と大学」創刊

 徳島大学は地元経済界と大学をつなぐ月刊情報誌「企業と大学」を11月2日に創刊する。学生の県内就職率アップを主目的に、産学の理解を高める記事を配置する。各号で地元企業の特集を組み、協賛広告で制作する。他の地方大学でも展開可能とみてフランチャイズも検討していく。

 「企業と大学」徳島版の発行部数は約1万部。定価540円で電子書籍版もあるが、学生・教職員に7000部、企業に3000部の無料配布が中心だ。

 創刊号の特集は発光ダイオード(LED)で知られる日亜化学工業(徳島県阿南市)で、社長と学長の対談を企画した。そのほか「よくわかる徳島経済」、学長コラム「地域と大学、未来へ」などがあり、各号60ページ前後。同大の学生は出身、就職とも県内が約3割だ。県外出身者が地元企業を知って就職するケースを増やすほか、共同研究など地域産学連携のきっかけに活用する。

 協賛は県内売上高100億円以上の企業を中心に、12回分を確保済み。徳島県に大塚製薬や大塚製薬工場などの拠点を持つ大塚ホールディングス、地元金融機関、徳島大出身者が社長を務めるベンチャーなどだ。

 反響を見て次年度以降の継続や他大学へのノウハウ提供を検討する。

 同誌の発行は徳島大学で、編集は収益事業を手がける「徳島大学産業院」の出版部。2019年に迎える70周年記念事業の一環だ。
 

日刊工業新聞2018年10月31日

山本 佳世子

山本 佳世子
11月01日
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大手メディアが新事業として、大学PR冊子の作成を請け負うケースが近年、目立つ。大手のビジネスになるくらいだから、大学はかなりの予算を投入する羽目になるはずだ。これに対して徳島大学の取り組みは、地域連携の観点を強く打ち出すことで、協賛広告で回すことを可能としている。同大の事業活動を担う「産業院」自体が、アイデアパーソンの野地澄晴学長による立ち上げで、興味深い。学長はさらに、情報誌の広告費を少額に抑えて、地場の中小企業を取り上げることで、対象を広げる検討もしているそうだ。

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古川 英光
古川 英光
11月01日
なるほどね〜
  

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