「見て盗め」の職人育成はもう古い

業務の“見える化”を進める関口工業、社員のマネジメント力向上へ

 パイプ曲げ加工の関口工業(さいたま市中央区、関口拓造社長、048・853・5511)は、「知識を持った」職人の育成を進めている。2017年に人事制度を刷新し、業務内容や社員の目指す姿を「見える化」した。社員のマネジメント力が向上するなど成果が出始めている。

 社員を担当業務の習熟度や責任の重さによって、六つの等級に分類。各等級で求められる技能などの要件や等級ごとの給与レンジ(幅)を明らかにしている。4級からは職制と技能のマイスターの2コースに分かれる。マイスターコースでは4級がブロンズ、5級はシルバー、6級はゴールドと昇級する。

 技能はロウ付け溶接やMIG溶接、TIG溶接、機械加工、ベンダー、プレス加工、CAD、ITネットワーク、語学の九つ。現在、ベンダー部門にブロンズマイスターが1人在籍する。

 指導する社員は、人に教えることで自身の技能もマネジメント能力も上がった。熱心な指導により女性2人を含む5人が溶接の資格を取得。これまで現場技能者が職制となってもマネジメント力を発揮しきれないケースがあった。

 関口社長は、「技術やノウハウは『背中を見て盗め』という姿勢ではなく、原理原則を理解し人に説明できる技能者を育てる」と話す。技能向上のための練習時間を残業として計上するなど、今後も技能向上の環境作りに努める。
(文=さいたま・石井栞)

日刊工業新聞2018年10月30日

  

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