「マチ工場のオンナ」に事業承継のヒントあり

NHKドラマ、今日第4話放送

ドラマの一場面(NHK提供)
 毎週金曜夜に放送中のNHKドラマ『マチ工場のオンナ』。専業主婦だった32歳の時に創業者の父の急逝で突然、ダイヤ精機(東京都大田区)社長を継いだ諏訪貴子さんが原作者だ。ドラマは愛知県が舞台だが、社内風景をはじめ忠実に再現している。

 「第2話のリストラシーンでは当時を追体験して涙が止まらなかった」と諏訪さん。切られる側のつらさは多く描かれるが、経営者側に立った作品は少ない。「よくぞ切る側の苦労を描いてくれた」との反響もあった。

 3話では、若手社員の意見を取り入れて働きやすい環境づくりに動くが、逆に創業時からの職人との溝を深めてしまう。今のダイヤ精機は幅広い年代の社員が意見を出し合う風通しの良い会社として有名だが、これまでにさまざまな苦難があっただろう。

 諏訪さんは「事業承継を取り上げてもらいたいと思っていたタイミングでドラマ化の話が来た」と明かす。自ら苦労しただけに、後継者となり得る社員を計画的に育てる。数年前には学習塾を創業させ、経営を勉強させた。

 「私でさえできたから、皆さんだってできます」。しばらくは、事業承継のヒントがちりばめられているであろうドラマの鑑賞に“花金”をささげたいと思う。

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日刊工業新聞2017年12月15日

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

 2009年から2014年にかけて中小企業は約40万社も減少した。中小企業経営者の高齢化が進み、この20年間で経営者年齢の最多層は47歳から66歳へ移動した。今後5年で30万人以上の法人経営者が70歳を迎える。それにも関わらず、後継者が決まっていない企業が約6割を占める。70代の経営者であっても、引き継ぎ準備を行っている経営者は半数に過ぎない。  このままいくと、2020年頃には後継者難を理由に廃業する中小・小規模事業者が数十万単位で発生するだろう。産業基盤を揺るがしかねない危険水域に入る。だが、見方を変えれば悲観ばかりではない。実は中小企業の倒産件数はこの数年で4割近くも減っている。課題は2万5000-2万9000件の間で高止まりしている休廃業・解散件数だ。言い換えれば、収益力を持ったまま引退を選ぶ経営者が少なくないということだ。  今日は第4回の放送。光(内山理名)は、銀行員の長谷川(村上淳)に会社の再建計画を伝え、その実現を約束する。しかし、頼りとする職人の勝俣(竹中直人)は、前社長の泰造(舘ひろし)を失った責任から退職を申し出る。勝俣の説得を試みる光だが、勝俣は頑なに拒否する。一方母・百合子(市毛良枝)が体調を崩し、夫・大(永井大)のアメリカ赴任の日が迫ってくる。そんなある日、光は、泰造が生前やっていた中学校でのものづくり教室を頼まれて…。

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