首都高でも検証、水を注ぐだけで簡単に振動を抑制できる技術とは?
中央大が開発、
中央大学の平野広和教授は、水を注ぐだけで簡単に振動を抑制できる制振技術を開発した。高速道路の大型電光掲示板など高所に設置する構造物が根元から揺れる振動を抑える。電光掲示板の内部でタンクに水を張り、水面に波消し用の浮体ダンパーを浮かべるだけで運用可能。中日本高速道路の首都圏中央連絡自動車道で検証し、振動の収まりやすさを示す振動減衰率が3倍に向上した。電光掲示板や橋、タワーなど背の高い構造物は風などで揺れ、支柱などが金属疲労を起こすリスクがあった。そこで高所に水を張ったタンクを持ち込み、振動を吸収させる。
圏央道の電光掲示板では重量の3―5%程度の水を持ち込んだ。抑制したい振動数が1・5ヘルツだったため、1・5ヘルツで水面に定常波が立つようタンクの縦横に合わせて水位を調整する。そして水面に浮体ダンパーを浮かべて密封する。
構造物の振動が水に伝わり、水面に波を起こし、その波が浮体ダンパーにかき消されて振動が抑えられる仕組み。振動の減衰率は1・0%から3・5%に向上し、振幅は50ミリメートルから17ミリメートルに抑えられた。
実験では市販のタンクを利用した。スペースがあれば安価に制振でき、設置法を工夫すれば電灯や展望タワーに応用可能。ただ市販のタンクでは水がわずかに蒸発するため、数年間置いておくと水位が変化する。定期点検などの際に水を足す必要がある。今後、密封性を高めたタンクや外から水位を確認・維持する仕組みを検討していく。
圏央道の電光掲示板では重量の3―5%程度の水を持ち込んだ。抑制したい振動数が1・5ヘルツだったため、1・5ヘルツで水面に定常波が立つようタンクの縦横に合わせて水位を調整する。そして水面に浮体ダンパーを浮かべて密封する。
構造物の振動が水に伝わり、水面に波を起こし、その波が浮体ダンパーにかき消されて振動が抑えられる仕組み。振動の減衰率は1・0%から3・5%に向上し、振幅は50ミリメートルから17ミリメートルに抑えられた。
実験では市販のタンクを利用した。スペースがあれば安価に制振でき、設置法を工夫すれば電灯や展望タワーに応用可能。ただ市販のタンクでは水がわずかに蒸発するため、数年間置いておくと水位が変化する。定期点検などの際に水を足す必要がある。今後、密封性を高めたタンクや外から水位を確認・維持する仕組みを検討していく。
日刊工業新聞2018年10月17日