空調の技術革新を切り開く“アート思考”の可能性

ダイキン工業が京大デザインイノベーション拠点と連携を開始した

 ダイキン工業は京都大学と連携し、空調の開発に「アート思考」と呼ばれる新たな手法を導入する。2019年から製品開発に応用することを目指す。アート思考は、例えば香りとその香りにまつわる記憶を製品開発につなげたり、既存の価値観を超えた視点を製品に生かす手法。これまで「デザイン思考」など、顧客の視点を重視した手法を開発に役立ててきた。アート思考により従来の延長線上にない画期的な空調の開発につなげる。

 ダイキン工業と京都大学は13年に提携。心理学や社会学、民俗学の視点から、空調のあり方について約800件の知見を得た。こうした成果を空調に適用するため、異分野の専門家の連携を得意とする京大デザインイノベーション拠点との連携を始めた。

 例えば香りと記憶の関係では、香りが子ども時代の記憶と結びつくと心地よさをもたらすという。またアフリカ先住民の風習なども製品開発のヒントになるという。あるアフリカ先住民は「今日の空気は元気」とあいさつする。この先住民が好む空気を分析すれば、今までにない製品開発の着想につながる。

 アート思考は空調そのものでなく「空間のあり方」を一から検討する。ダイキンは空調の世界最大手。異分野の企業が斬新(ざんしん)な発想で参入してくる可能性があり、技術革新につながる開発のあり方を模索する。

日刊工業新聞2018年10月17日

国広 伽奈子

国広 伽奈子
10月18日
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アート思考への転換で企業が求める人材にも変化が現れるのでしょうか。

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