ハウスメーカー大手、「木造住宅」相次ぎ投入のワケ

若年層の需要取り込め

 少子高齢化により新設住宅着工戸数が減少傾向にある一方で、人件費や材料の高騰などを受け住宅価格は上昇している。そうした環境下で複数の住宅メーカーが新たな市場を掘り起こすべく、若年層に着目。一次取得者(初めて住宅を購入する世帯)の獲得に向け、主力のプレハブ住宅よりも安い普及価格帯の木造住宅商品を相次ぎ投入している。

 「年収500万―600万円の世帯でも購入可能な普及価格帯の住宅を強化していく」。木造住宅に本格参入したパナソニック住宅担当役員の北野亮専務執行役員は大きな期待を寄せる。分譲木造住宅で建築単価が2000万円程度の若年層向け新ブランドを、2018年度から19年度にかけ投入予定だ。

 パナソニックの住宅子会社、パナソニックホームズ(大阪府豊中市)の25年度目標で新ブランドの年間売上高は全体の12%を占める約600億円を掲げる。新ブランド住宅と既存注文住宅の両方で攻勢をかけ、25年度めどに業界3位を目指す。

 トヨタホームも18年度から分譲木造住宅の新ブランドを立ち上げ、販売を始めた。狙いは同じく若年層の顧客開拓だ。首都圏、中部圏、近畿圏を中心に18年度が50戸、19年度は150戸の販売を目指す。ツーバイフォー工法を採用し、30年保証で差別化する。

 「18年は戸建住宅が復活する年にしたい」。戸建住宅最大手の積水ハウスの仲井嘉浩社長も意気込む。18年内をめどに子会社の積和建設の一次取得者向けブランドを統一し、新会社を立ち上げる。仕様の合理化で若年層にも購入しやすいよう、建築単価2200万から2300万円で良質な住宅を提供する。一般工務店が扱う住宅とのすき間市場を狙い、シェア拡大で販売を伸ばす方針だ。

 一方、大和ハウス工業は独自路線を貫く。木造住宅では建築単価が5000万円以上の戸建て注文住宅の最高級ブランドを17年から展開。ただ、若年層が購入しやすい土地を含めた住宅商品の提案にも力を入れる。

 普及価格帯の木造住宅は地元密着の工務店が強いが、工務店は後継者難や人材不足に悩まされている事情もある。

日刊工業新聞2018年6月26日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
06月26日
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普及価格帯の木造住宅に力を入れ始めた住宅メーカー各社。価格を含む総合的に魅力ある住宅を提案し、若年層をうまく取り込めたところが限られた市場のパイを広げることになる。
(日刊工業新聞大阪支社・香西貴之)

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