価格は医療用の10分の1、大阪市で誕生した“下町スコープ”の工夫

大阪市立大が中小企業と開発

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訓練用内視鏡「下町スコープ」
 大阪市立大学大学院医学研究科の大畑建治研究科長らは、ものづくり医療コンソーシアム(大阪市阿倍野区)と松電舎(大阪市北区)との共同研究で、訓練用内視鏡「下町スコープ」を開発した。9日に発売する。医療用内視鏡と同等の使用感を確保し、消費税抜きの価格を医療用の約10分の1の100万―200万円に抑えた。医師が実践的な訓練を行えるようにし、質の高い内視鏡手術の普及に努める。

 大阪市のモノづくり中小企業とともに開発したため「下町」と名付けた。光源などの部品で、高価な医療用でなく通常の工業用を採用しコストを抑えた。一方で医療用と同様の扱いができるよう、防水仕様で滅菌ができる構造とし、カメラとピント調節機構を一体化した。

 先端に画質の高い硬性鏡を取り付けて使う。ケーブルで手持ちのモニターとつないで映像を確認し、カメラのピント合わせや内視鏡の角度調整など実践的な訓練ができる。松電舎の顕微鏡用カメラの製造ノウハウを生かした。

 販売はホスピタルサービス(京都市南区)とタカゾノ(東京都港区)の医療機器販売会社2社が担当する。

 内視鏡手術は、手術による傷が比較的小さく患者の負担が軽いため、脳や腹腔(ふくこう)などさまざまな手術で導入されニーズも高い。ただ従来、医療用に近い感覚で実践的な訓練ができる内視鏡はなく、研修はデモを見るだけにとどまるなど、技術を高めるのは難しかった。内視鏡を扱う技術が低いと医療事故につながるため、訓練は喫緊の課題だった。

日刊工業新聞2018年10月8日

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