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金属加工用丸鋸を一貫自動生産で4分の1に省人化

金属加工用丸鋸を一貫自動生産で4分の1に省人化

金属加工用丸鋸「フェロー・マックス・コールドソー」

 兼房は金属加工用丸鋸の一貫自動ラインを本社工場(愛知県大口町)に構築する。チップの加工や台金へのロウ付けなどの主要工程の設備約50台をロボットでつなぎ、従来20人必要だった作業者を5人にする。2018年末にもテストラインで実証を始め、20年度中の量産を目指す。日本で残業を減らすほか、今後の増産の中心となる中国・アジアでの人件費増に対応、強化課題とする金属加工用丸鋸の生産性を高める。

 テストラインは現在導入中。まずは処理能力は実際の量産ラインの10分の1程度の日産20枚とする。投資額は2億円。その後、同200枚と量産ラインと同等のテストラインを19年度中に構築し、20年度には製品としての出荷を目指す。中国、インドネシア、19年稼働予定のベトナムの各海外工場にも展開を検討する。

 一貫自動生産を目指す金属加工用丸鋸は「フェロー・マックス・コールドソー」。加工速度が速い、難加工材に対応できる、刃が薄く歩留まりが高いなどの特徴があり、自動車向けの丸棒・鋼管材加工用などに好評。自動車部品の製造ラインで従来主流だったバンドソーやメタルソーからの切り替えが進み、受注は前年比で2割増えている。

 同社は木工用丸鋸の大手。後発として金属用工具専業メーカー以上のきめ細かい対応を心がけており、一貫自動ラインの構築で少ロット品の生産効率も高める。
日刊工業新聞2018年10月5日

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