腕時計の“心臓”、世界最大級の生産現場では製造工程を「見える化」していた

ミヨタ佐久工場、目指すは「究極の省人化」

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IoT技術を導入した新ライン
**腕時計のムーブメント組み立て IoTで生産「見える化」

 シチズン時計の製造子会社シチズン時計マニュファクチャリング(埼玉県所沢市)のミヨタ佐久工場(長野県佐久市)は、2016年9月に完成した世界最大級のムーブメント(駆動装置)組立工場だ。「究極の省人化」を掲げ、IoT(モノのインターネット)を活用した新ラインでは製造工程の「見える化」に取り組んでいる。

 腕時計の“心臓”であるムーブメントは、マイクロメートル(マイクロは100万分の1)レベルの精密部品で構成される。「地板」と呼ばれる基盤部品に、グループ各工場で作られた約30点の精密部品が1秒に約1個の割合でテンポ良く組み付けられていく。

 同社では精密部品の金型から部品加工、組み立てまでを国内で一貫して手がける。金型や治工具、製造設備などは自社製で、「他社にまねできない製造技術とモノづくり力」(同社)が武器だ。

 効率化を進める中、力を入れるのがIT導入だ。同工場のIoTを活用した新ラインでは、組み立て工程ごとにデータを取得し、生産状況を「見える化」している。ラインの稼働状態が把握でき、「生産停止の予防措置など事前対策が打てる」(酒井紀享工場長)。今後、他ラインへの展開も視野に入れる。

 現在約50ある自動化製造ラインでは、一つのラインを2人のオペレーターが担当する。酒井工場長は「いずれは1人体制にしたい。限りなく無人にできようにしたい」という。品質や生産性を維持しながら、コスト競争力を高めるため、省人化を突き詰める方針だ。
(文=村上毅)

日刊工業新聞2018年9月28日

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同工場ではムーブメントが月1200万個生産され、うち6割以上が外販され、世界に供給されている。卓越した生産性の向上と品質管理の強化で、「MIYOTA」ブランドに磨きを掛ける。(村上毅)

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