過酷な労働から作業者を解放…竹中工務店がロボット活用急ぐ

開発品の約15機種が現場適用の試行に入った

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自動追従台車を複数つなげ運搬作業を省力化
 竹中工務店は建設現場に使う自動化機器やロボットの開発を加速する。建築生産のSQCDE(安全、品質、コスト、デリバリー、環境)を向上する技術を対象に開発し、10―20%から30%の省人化を狙う。実際に現場で使う協力会社が開発段階から加わる共同開発を推進し、開発品のうち約15機種が現場適用の試行に入った。試行を重ね、結果が良ければ量産し、自社建築現場に普及を目指す。

 竹中工務店は現場の労働者不足をにらみ、2017―19年の「3カ年ロボット技術開発戦略」を実行。作業空間の高度情報通信技術(ICT)化、高所作業の高度化、場内運搬の自動化の実現に取り組んでいる。

 作業系は耐火被覆吹き付けロボットや自動で床上のゴミをかき集める清掃ロボット「TOギャザー」、コンクリート工事用の数機種を開発。3K(きつい、汚い、危険)的な現場作業をロボット化し、過酷な労働から作業者を開放する。

 搬送系は搬送支援ロボット「クローラーTO」、自動追従台車「かもーん/ひもーん」を開発した。「かもーん」は最初に認識した人、物に追従し、台車を複数台つなげて運搬できる。これまでは熟練作業者が1台ごと押して運ぶ重労働だったが、作業者の負担を軽減し、本来業務の効率向上につながる。

 開発は素早い成果が求められ、「1テーマで長くて3年」(洗光範生産本部生産企画部長)という。現場のノウハウを共有してメーカーと共同開発した後も、現場などで機能や品質の確認が重要だ。そこで最近は「左官業など施工会社、協力会社を巻き込む開発を増やしている」(洗部長)。現在、現場で試行中の機種は作業系、運搬系にハンドリング機「ジラフ」や高所作業車「アゲッチメント」を加え、約15に上る。

 今後も開発が相次ぐ。コンクリート工事で床押さえなど左官工の省人化を図る新型「サーフロボ」は、2台導入時に約40%の省人化を目指す。「コンクリート分配器」は、コンクリート圧送配管作業(ポンプ工)を3人から2人にする目標だ。
(文=神谷信隆)

日刊工業新聞2018年10月1日

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一方、米ボストン・ダイナミクス製の四足歩行型ロボ「スポットミニ」は、6月に作業所で実施した実証試験の結果を解析中。「障害物をセンシングして避けながら動けるなど基本動作は確認した」(菅田昌宏技術研究所先端技術研究部長)。当初予定通り、19年半ば以降、年末までに本格活用を目指す。(日刊工業新聞社・神谷信隆)

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