投資額倍増の狙いは?JFEエンジニアリング社長に聞く

海外リスクの管理がカギを握る

  • 0
  • 0
大下元社長
 JFEエンジニアリング(東京都千代田区、03・6212・0800)が、2020年度までの3カ年の中期経営計画を始動した。運営事業の拡大、海外事業の収益化、働き方改革の3本柱で、前3カ年の約2倍となる700億円の投資を計画。質を伴う事業規模拡大にアクセルを踏み込む。大下元社長に中計の方針を聞いた。

―中計の数値目標は。

「3年平均で受注額6000億円(17年度約5000億円)、経常利益300億円(同193億円)が目標。コンセッション事業(公共施設等運営権制度を活用したPFI事業)やO&M(運用・保守)、エネルギー最適化などの運営事業を受注額全体の約半分に引き上げる。働き方改革では総労働時間を現行比で10%減らす」

―海外事業の目標は。

「売上高700億円の水準で適正利益を確保する。17年度は同約200億円で赤字だった。18年度は同400億円で黒字化する見通しで、受注額は800億円を計画する。廃棄物発電プラントなどの子会社独スタンダードケッセルも黒字化にめどを付けた。中国や東南アジアにも同社技術を展開する」

―地域戦略は。

「橋梁は政府開発援助(ODA)案件が東南アジアからミャンマー、バングラデシュ、インドと西に向かっており、次はアフリカ。水処理はフィリピン、ベトナム、ミャンマー。ゴミ処理設備はシンガポールと中国で大型案件が控える。4月にプロジェクトマネジメント室を設置した。海外案件のリスク管理が極めて重要だ」

―再生エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の見直しでバイオマス発電は一段落しそうです。
「今後3年間は手持ち工事をこなすことで手いっぱい。今後も大型プラントを中心に底堅い需要があるのではないか。燃料多様化を地道に研究する」

―中計期間内の投資計画は。

「事業運営会社への出資など事業投資で500億円、設備・IT投資で200億円の合計700億円。前3カ年の2倍の水準だ。M&A(合併・買収)も視野に入れるが、東京電力フュエル&パワーと結んだインフラサービスアライアンスのような協業スキームも積極的に広げる」

(文=編集委員・鈴木真央)

日刊工業新聞2018年9月21日

COMMENT

米中貿易摩擦や火力発電への逆風は不安要素だが、液化天然ガス(LNG)案件の回復や国内都市開発の進展など業界を取り巻く景況感は総じて悪くない。IoT(モノのインターネット)による次世代保守サービスも着実に増えそう。課題は子会社を含めた海外案件の損失リスク低減。新設部署の成果が問われる。(編集委員・鈴木真央)

関連する記事はこちら

特集